*「ポーランド南西部の閑静な街のはずれに、世界遺産にも登録されているヨーロッパ最大級の木造教会が静かに佇んでおる。それが、“シフィドニツァの平和教会”じゃ。
カトリック(ハプスブルク家)とプロテスタント(反ハプスブルクの連合軍)の対立により勃発し、ヨーロッパのほぼ全域を巻き込んだ“三十年戦争”(1618年~1648年)…。この戦争が終わりを迎えると同時に締結された条約に基づき、時のオーストリア皇帝(カトリック派)は、プロテスタント教会を’グウォグフ(Głogów)’、’ヤヴォル(Jawor)’、そして’シフィドニツァ(Świdnica)’の3つの地域に建設することを許可したのじゃった。
かくして平和を祈念して建てられた教会じゃが、プロテスタント派に強い力を持たせないようにするため、教会の建築には様々な制約が設けられた。それがかえって、世界でも類を見ない珍しい教会を創り上げることに繋がったのじゃ」
*「見えてきたぞ。あれが平和教会の入口じゃ」
*「ふむ、ゲートの脇はどうやら“警備員の家”のようじゃな。…おぉ、これを見よ。これはおぬしの母国、ジパングの言語ではないのか?」
“警備員の家”
広場の一番小さい建物をご覧ください。警備員の家は警備員だけの住まいではありませんでした。17世紀は、あの家に、ベンジャミン・シモークという、平和教会のもっとも有名な牧師で、現在でも歌われている1200ものプロテスタント聖歌を作曲した人物も住んでいました。
…と、かいてある
広場の一番小さい建物をご覧ください。警備員の家は警備員だけの住まいではありませんでした。17世紀は、あの家に、ベンジャミン・シモークという、平和教会のもっとも有名な牧師で、現在でも歌われている1200ものプロテスタント聖歌を作曲した人物も住んでいました。
…と、かいてある
*「これが、平和教会のようじゃ。いわゆるヨーロッパの教会とは、外観からしてだいぶ違うな。まるで大きな家のようじゃ」
*「おはようございます。今日はあなたたちが一番乗りですよ。
この紙に教会内の装飾品や、歴史についてが書いてあります。良かったら読みながら見学してくださいね」
この紙に教会内の装飾品や、歴史についてが書いてあります。良かったら読みながら見学してくださいね」
観光ガイドパンフレットを受け取った!
どうやら貸し出し式のようだ。帰るときに忘れずに返そう
どうやら貸し出し式のようだ。帰るときに忘れずに返そう
*「なんと見事な教会じゃ。息をのむ美しさ とはこのことじゃな。朝一番で他に人がいないのもそうだが、雑音や反響音がない、異様な静けさがある。木造ゆえに木が音を吸収しているせいかもしれぬな」
~シフィドニツァの平和教会~
この教会は、30年戦争の終結と平和を祈念し、その象徴として1657年に建てられました。ハプスブルグ家(カトリック派)は、プロテスタント派に強い力を持たせないようにするため、教会の建設を許可するにあたり、以下のような厳しい制約を設けました。
・市壁の外側でなければならない ※人々の生活に密に関わらせないため
・大砲の射程距離内になければならない ※脅威とみなせば即破壊できるようにするため
・1年以内に建設し終えなければならない ※強固で立派なものを造らせないため
・木と粘土などの耐久性のない建材しか使用してはならない ※教会を長持ちさせないため
・見た目で教会とわかる、伝統的な教会建築様式をとってはならない ※信仰心を集めないようにするため
・塔や鐘を備え付けてはならない ※街のシンボルとさせないため
建築にあたり名乗りを上げた ヴロツワフの建築家 ‘Albrecht von Säbisch(アルブレヒト フォン ゼービッシュ)’は、この難題を全て満たした見事な設計を行い、今日に残る、素晴らしい教会を造り上げたのです。
この教会は、30年戦争の終結と平和を祈念し、その象徴として1657年に建てられました。ハプスブルグ家(カトリック派)は、プロテスタント派に強い力を持たせないようにするため、教会の建設を許可するにあたり、以下のような厳しい制約を設けました。
・市壁の外側でなければならない ※人々の生活に密に関わらせないため
・大砲の射程距離内になければならない ※脅威とみなせば即破壊できるようにするため
・1年以内に建設し終えなければならない ※強固で立派なものを造らせないため
・木と粘土などの耐久性のない建材しか使用してはならない ※教会を長持ちさせないため
・見た目で教会とわかる、伝統的な教会建築様式をとってはならない ※信仰心を集めないようにするため
・塔や鐘を備え付けてはならない ※街のシンボルとさせないため
建築にあたり名乗りを上げた ヴロツワフの建築家 ‘Albrecht von Säbisch(アルブレヒト フォン ゼービッシュ)’は、この難題を全て満たした見事な設計を行い、今日に残る、素晴らしい教会を造り上げたのです。
*「1年で、それも釘も使わずに建てたとは到底思えない規模の教会じゃ。実際、教会としての枠組みはたったの1年で仕上げたようじゃが、その後、細やかな装飾が施されていったようじゃな。ワシも数多くの教会を見てきたが、その中でもここは指折りの場所じゃぞ。実に美しい」
*「いやはや、想像を凌駕する美しい空間であったな。
宗教紛争という多くの命を奪うおぞましい愚行をするかと思えば、このような美しいものを後世に残す。人間とは不思議な生き物よ…」
宗教紛争という多くの命を奪うおぞましい愚行をするかと思えば、このような美しいものを後世に残す。人間とは不思議な生き物よ…」
シフィドニツァ平和教会には、最寄りの都市である「ヴロツワフ」からアクセスする人がほとんどかと思いますので、ヴロツワフからのアクセス方法を載せます。
◆『ヴロツワフ中央駅』から『シフィドニツァ市駅』へ
平和教会のあるシフィドニツァへは、以前はレンタカーやタクシー、あるいは地元の旅行会社が催行するツアーなどで向かうしかありませんでした。
しかし、なんと2023年6月11日より、『ヴロツワフ中央駅』から電車で教会最寄りの『シフィドニツァ市駅』まで行くことができるようになりました!!
鉄道料金の安いポーランド。観光客にとってはこの上ない嬉しいニュースです!
しかし、なんと2023年6月11日より、『ヴロツワフ中央駅』から電車で教会最寄りの『シフィドニツァ市駅』まで行くことができるようになりました!!
鉄道料金の安いポーランド。観光客にとってはこの上ない嬉しいニュースです!
利用する鉄道は、「Koleje Dolnośląskie(コレイェ・ドルノシュロンスキエ)」という、いわゆる私鉄。
時刻表検索は、ポーランド鉄道(PKP)のサイトとは異なるので注意してください!
時刻表検索は、ポーランド鉄道(PKP)のサイトとは異なるので注意してください!
Koleje Dolnośląskieの時刻表検索はこちらをクリック。
以下の出発地/到着地の情報と、日付時刻を指定して乗りたい電車を検索してください。
以下の出発地/到着地の情報と、日付時刻を指定して乗りたい電車を検索してください。
出発地 Wrocław Główny (ヴロツワフ中央駅)
到着地 Świdnica Miasto (シフィドニツァ市駅)
到着地 Świdnica Miasto (シフィドニツァ市駅)
尚、朝一番に行くと、この記事のような誰もいない教会の写真を撮ることができます。
私はヴロツワフ中央駅 7:50発、シフィドニツァ市駅 8:54着の電車に乗りました。駅から教会までは徒歩15~20分ほどなので、もしももう少し早く行きたい場合は徒歩の時間を加味して電車を選んでみてください。
尚、ヴロツワフ中央駅構内の電光掲示板にも、もちろん「Koleje Dolnośląskie(※略称 KD)」の時刻掲示があります。出発ホームがネットの時刻検索で調べたものと変わっている可能性もあるので、当日の朝は、気持ち早めに駅に向かい、乗る電車のプラットホームを確認しましょう。
◆『シフィドニツァ市駅』から、徒歩で『シフィドニツァの平和教会』へ
Świdnica Miasto (シフィドニツァ市駅)を降りてからの道順は以下の画像の通り。街の中心を突っ切るように、反対側に抜けるように歩いていけば、平和教会にたどり着く。