【憧憬のおとぎの国】ローテンブルク(ドイツ)~リアルドラクエの世界~

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*「ここは”ロマンチック街道のハイライト”として名高い『ローテンブルク・オプ・デア・タウバー(Rothenburg ob der Tauber)』という街じゃ。
城壁に護られた街中は、まるで絵本の世界のような可愛らしい街並みをしており、多くのジパング(日本)の民が持つであろうヨーロッパのイメージそのもの。遠き彼の地より、いい意味でのステレオタイプな景色を求め、それは多くの旅人が訪れる。…どのような街並みなのか、ワシも興味があるぞ。さぁ、街歩きに出かけてみるとしよう」

1600年ごろに建てられた『ガルゲン門』
???
*「城壁に囲われた街、ローテンブルク。市街地には、門を通り抜けて入っていくぞ。…なに?”門を通過できるか心配だ” じゃと? いまどき検問などないわい。くぐるだけじゃよ」
 
※『ローテンブルク・オプ・デア・タウバー』の鉄道駅から旧市街に入るには、この『ガルゲン門』、もしくはもう少し駅に近い『レーダー門』から入ることになります。筆者が初めて訪れた際は宿泊したホテルの立地の都合上、ガルゲン門から入りましたが、レーダー門の方が駅からは近いです。
レーダー門
 
「ガルゲンガッセ」
 
ガルゲン門から街の中心へと延びる「ガルゲンガッセ」という広々とした通り
村人
*「ローテンブルクの街に ようこそ
ゆっくりしていってね」
ガルゲンガッセを進むとそびえる『白い塔(ホワイトタワー)』。12世紀に城壁と共に建てられたという、街の中でも屈指の古さを誇る時計台
「聖ヤコブ教会」
 
街に建つ「聖ヤコブ教会」。入場料として2.5ユーロ必要…
「聖ヤコブ」の像が教会前に立っている。せっかくなので、入ってみる
地味な教会の上、入場は有料なので、、、観光客は少ないようだ
僧侶
*「おや…たびのひと こんにちは。 他の教会に比べて この教会はあまり豪華ではないですが 祭壇は立派ですよ。ぜひ見物していってください」
 

中世のドイツの彫刻家 “ティルマン・リーメンシュナイダー”の最高傑作と評される『聖血の祭壇』は必見

 

「マルクト広場」
 
おじいさん
*「たっ…助けておくれ!ワシのヨメが、ある店に吸い込まれて行ったっきり出てこないんじゃ!入口で大きなクマがにおう立ちしていて、恐ろしくてワシは入れん…様子を見て来てくれぬか」
 
???
*「なに、こんな平和そうな街中に’クマ’じゃと?
魔物の類かもしれん…どれ、ワシらで退治してやろうではないか!」
ローテンブルクのマルクト広場。左手の建物は「旧市庁舎」
おじいさん
*「あの店ですじゃ!あのクマをどうにかして、中の様子を見てきて下され!」
 
全長2m30cmはあろうかという巨大なクマ
グリズリー(?) があらわれた!
しかし おそってくる けはいは ない…
???
*「…なんじゃ、こやつ ただの’ぬいぐるみ’ではないか!とんだ勘違いじゃのう
しかし、大きなぬいぐるみじゃ!」
店の中に所狭しと並ぶテディベア。有名ブランド「steiff(シュタイフ)」を始め、様々なメーカーのテディベアが一堂に会している

 

おばあさん
*「…え?わたしの主人が 外で心配している…? あらやだ もうこんなじかん。
つい夢中になってしまったわ。教えてくれてありがとう」
 
テディベア専門店「Teddys Rothenburg」の店構え。大きなクマの脇を抜けるように店に入ろう
 
夜はちょっと怖い…

「中世犯罪博物館」
 
???
*「ここは『犯罪博物館』という施設のようじゃ。メルヘンな雰囲気の街にそぐわない殺伐とした雰囲気を醸し出して居るが…アレはなんじゃ?’鳥かご’のようなものが展示してあるぞ」
 
大きな鳥かごのような機械
衛兵
*「あれは、中世の時代に罪を犯したものや、’魔女’の嫌疑のかかった者を罰するための、いわば拷問具の一つだ。あのカゴに人間を入れ…川に沈めたのさ」
 
 
衛兵
*「こっちは、街の広場で罪人をさらし者にするための拘束台だな。施設の中には色々な拷問具などが展示されているぞ。中でも有名なのは『鉄の処女(アイアンメイデン)』だ。時間があったら見てみるといい」
 
???
*「’アイアンメイデン’…聞いたことがあるぞ。棺の形をした拷問具じゃな。棺の中に受刑者をいれ、棺の蓋をするのじゃが、蓋側には鋭い無数のトゲのついていて、受刑者を串刺しにするという…恐ろしい器具らしい」
 
トゲの椅子。裸にした受刑者を座らせ、写真にも写っている木の板/拘束具で圧力をかけた
鉄の処女(アイアンメイデン)。絶対に入りたくない
『魔女捕獲(拘束)具』。魔女に直接触れないよう、この器具を首に付けて受刑者を連行した。’返し’がついており、一度嵌めると簡単には抜けない
当時の様子を再現したミニチュア。魔女の嫌疑をかけられた女性が台の上で鎖につながれている
???
*「中世に横行した『魔女狩り』。疑わしきは罰する、むごい時代じゃな。
表現は難しいが…興味深い展示であった」
 

 

 

「ゲルラッハ鍛冶屋 / 城壁」
 
レーダー門から城壁内に入ってすぐ南側に、ローテンブルクらしい三角屋根の家屋がある。1469年創業、”ゲオルク ゲルラッハ”の鍛冶屋(建屋)である。15世紀に建てられたこの建物は、鍛冶工房として長らく使用されていたが、第二次世界大戦により甚大な被害を受け、一度はほぼ全壊してしまった。 現在の建物は1951 年に再建されたもの。戦後再び、1967 年までは鍛冶屋として使用され、馬の蹄鉄などを造っていたが、現在は廃業しており、個人邸宅となっている。
鍛冶道具と共に、創業年が示された看板。’1649年’ではなく、’1469年’の創業。
鍛冶屋の全景が望める、城壁からの景色。人気のビュースポットとなっている
街をぐるりと囲む城壁の一部は上って歩くことができる。衛兵の気分になって歩いて見よう!

 

伝統菓子”シュネーバル(SCHNEEBALLEN)”
 
少女
*「’シュネーバル’は もうたべた? ローテンブルクの名物菓子だよ」
???
*「ほう、この地には名物菓子があるのか。
 どれどれ…この店に並んでいるこれじゃな!」
『シューネーバル』とは、”雪の球(show ball)”を意味する伝統菓子。セイヨウスモモの蒸留酒が含まれている。

 

写真を撮らせてくれた『Bäckerei Striffler(ベッカライ ストライフラー)』の店員さん (2012年撮影)
???
*「ふむ、何層にもなった硬めのクッキー生地がボール状になっている感じじゃな。ボロボロと崩れてやや食べづらいが、味は美味しいぞ!」

 

 


「プレーンライン」
 
おじさん
*「やあ、こんにちは。ローテンブルクに来たのであれば、あそこの景色は必ず見ておくといい。我々の街が誇る一大観光スポット『プレーンライン』だ。…まぁ特に何があるわけでもないのだが、可愛らしい景色が見られる場所さ」
 
日中は車や多くの観光客が写り込んでしまうが、早朝であれば誰もいない写真が狙える
???
*「”ローテンブルクといえば!”の景色じゃな。
可愛らしい時計を有する塔に、三角屋根の木組みの建物。そして右手に続く下り坂が、空間の広がりを演出する。バランスの取れたいい景色じゃ」
 
おじさん
*「夜は塔がライトアップされるんだ。また夜に来てみるといいさ」
 
???
*「夜か…見てみたいが、待つのものう…
…そうじゃ!こんな時にはアレじゃな!」
 
???は ラナルータを となえた!
 
あたりが暗くなり、夜になった!
 
???
*「ほれ、夜にしてやったぞ。…ん? ”呪文で昼夜が逆転しただけではなく、地面が雨で濡れているのはどういうことだ” じゃと?
それは…まぁ、現実世界ではそういうこともある、ということじゃな」

マルクト広場。旧市庁舎もライトアップされている
???
*「’プレーンライン’のような可愛らしい街並み、テディベア専門店など、まさにメルヘンの世界じゃったな。また、平和な街並みの中でも、過去にこの町であった史実を基にした、’犯罪博物館’など中世の暗い部分も垣間見ることができる、そんなヨーロッパの魅力が凝縮されているところが、この街が人気の街である所以なのじゃろう
 
~おまけ~
「どこから来たんだ?日本か?」「いい写真は撮れたかい?」という陽気なローテンブルクのほろ酔いのおじさんたち。日本人に慣れているようでとてもフレンドリーでした。
 

ローテンブルクへの行き方
ローテンブルク(ローテンブルク・オプ・デア・タウバー)は日本人にとても人気の街なのですが、田舎の小さな街なので、交通の便は良くありません。
 
日本からドイツに行く場合、利用する空港は「フランクフルト」、もしくは「ミュンヘン」が多いと思いますが、ローテンブルクは地理的には、丁度フランクフルトとミュンヘンの中間地点にあります。結論から言ってしまえば、フランクフルトから向かう方が楽です。が、どちらのルートだとしても、3時間~4時間程度の鉄道旅を経て向かうしかありません。
 

途中駅のWürzburg(ヴュルツブルク)や、Nürnberg(ニュルンベルク)は一大観光地なので、そこで1泊して小休止を挟んで向かうプランもいいかもしれません。
 
フランクフルト空港からローテンブルクに行く場合
フランクフルト空港から鉄道(DB)で向かう場合、最低でも2回の乗り換えが必要で、所要約2時間50分ほどかかります。下記はルートの一例です。
 
例:Frankfurt(M) Flughafen Fernbf(フランクフルト空港*長距離路線駅)⇒ Würzburg Hbf(ヴュルツブルク)⇒Steinach(シュタイナッハ)⇒Rothenburg ob der Tauber(ローテンブルク・オプ・デア・タウバー)


ミュンヘン空港からローテンブルクに行く場合
ミュンヘン空港から鉄道で向かう場合は、もう少し大変です。まずは、空港からミュンヘン中央駅に出て、そこから向かうことになるので、トータルで4時間~4時間半かかります。
 
例:München Flughafen Terminal(ミュンヘン空港)⇒München Hbf (tief)(ミュンヘン中央駅-低層階)⇒
(ミュンヘン中央駅内 乗り換え~徒歩130m~)
⇒München Hbf(ミュンヘン中央駅)⇒Nürnberg Hbf(ニュルンベルク中央駅)⇒Ansbach(アンスバッハ)⇒Steinach(シュタイナッハ)⇒Rothenburg ob der Tauber(ローテンブルク・オプ・デア・タウバー)

ご自身の日程や出発時刻に合わせた時刻検索は、ドイツ鉄道(DB)公式ページからどうぞ。