*「ここはドレスデンの北西に位置する小さな街、『マイセン』。かの有名な白磁器である、”マイセン磁器(MEISSEN)”の生誕の地じゃな。
マイセン磁器の歴史は今から約300年前、ヨーロッパ王侯貴族たちの間で、貿易商がはるか遠い東方の地から仕入れてきた”白き輝きを放つ磁器”が大流行したことから始まる。この磁器というのは、そなたの母国であるジパングの”伊万里焼”や”有田焼”、隣国の陶器などのことじゃ。
ザクセン州を治めていた時の権力者『選帝侯アウグスト2世(強王)』も、東洋の磁器が持つ美しき白さ、また繊細で華やかな絵付に強い憧れをもっていた一人であった。どうにかして領内でこれを生産できないかと考えたアウグスト強王は、1705年、宮廷錬金術師であった”ヨハン・フリードリヒ・ベトガー”をマイセンのアルブレヒト城に幽閉し、白磁器の生産研究を命じたのじゃ。…4年後の1709年、ベトガーはついに白磁製法を明らかにし、その使命を見事に果たしたのじゃが、製法が外部に漏れることを恐れたアウグスト強王がベドガーの幽閉を解くことは無く、ベトガーは37歳の若さでそのまま亡くなったという。ひどい話じゃが、「白い金」とも呼ばれたマイセン磁器には当時、莫大な財を築けるだけの価値があったということじゃ」
*「マイセンへようこそ!ここは、ヨーロッパ磁器発祥の地として、世界的に有名な街よ。…あら、あなたはジパングからきたの?それなら、この街とは縁があるわね」
*「陶器でつながりを得た歴史的背景もさることながら、この街はジパングの民がよく訪れる街の一つのようじゃな。みな友好的な雰囲気じゃ」
*「やぁ。あそこに見える美しい城は”アルブレヒト城”だ。マイセン磁器を生みだした錬金術師、ベドガーが幽閉され、死を迎えた曰くのある場所でもある」
*「まぁ、ベドガー氏には同情はするのう。…しかし噂によれば、そもそもそやつは、”金の錬金ができる”と吹聴していたがために、権力者たちにその身柄を追われていたところを、アウグスト強王にとっ捕まったという話もあるぞ。白磁製法を解明した努力と、その知恵は尊敬できるが、金を生み出せるなどと嘘をついていたとなれば、自業自得、というところかのう…」
*「お城に行きたいのですか?橋を渡って道なりにまっすぐ、まずはマルクト広場を目指してください。塔の目立つ”フラウエン教会”という教会のある広場です」
*「おお、これがフラウエン教会じゃな…して、城へ向かうにはここからどう行けばよいのじゃ?」
*「アルブレヒト城へは、マルクト広場を右(北)に歩いていくと行けるよ。途中にある、お城に向かう”城への階段”(Schloßstufen*シュロスシュトゥフェン)は観光名所の一つなんだ!必ず通って行ってね!」
*「ふぅ、なかなか上りごたえのある階段だったな。もう目の前に大聖堂の塔が見えるぞ。さて、入り口はどこかのう」
*「なんだ、城に入りたいのか?正面の白い建物がエントランスだぞ」
*「よくきたな。このアルブレヒト城は、現存する居城としては”ドイツ最古の城”と言われている歴史ある城だ。
歴史があるだけではなく、城内部の各部屋の柱と天井は、後期ゴシック様式のアーチ状の幾何学的な造形をしており、壁画も芸術的なものが多い。その美しさでも有名な城なんだ」
歴史があるだけではなく、城内部の各部屋の柱と天井は、後期ゴシック様式のアーチ状の幾何学的な造形をしており、壁画も芸術的なものが多い。その美しさでも有名な城なんだ」
*「おぉ、確かに見事な天井じゃな。書き込んである文様も繊細で美しい」
*「次の間、”バンケットホール”はスリッパに履き替えての見学のようじゃ。
…なんじゃ!?このスリッパは。やけに大きいのう。まぁよい。靴を脱いでスリッパに履き替えてと…
やけに滑る床じゃな。転ばないように気を付けるのじゃ」
…なんじゃ!?このスリッパは。やけに大きいのう。まぁよい。靴を脱いでスリッパに履き替えてと…
やけに滑る床じゃな。転ばないように気を付けるのじゃ」
*「立ち並んでいる像も色彩鮮やかで、リアリティに溢れておるわい!こちらの絵は、少々残酷なシーンじゃが、表情まで細かく臨場感あふれる絵画じゃな」
*「ママ―。こんなところに靴が脱ぎ捨ててあるよ。なんでー?」
*「あら、ほんとね。・・・ほら、あそこにいるのは、きっとジパングの人よ。ジパングでは、室内では靴を脱ぐ習慣があると聞いたことがあるわ。
きっとこれが靴をはいたまま履くスリッパだと知らないのよ」
きっとこれが靴をはいたまま履くスリッパだと知らないのよ」
*「あの人たちが、まちがえてるってことだね!ハズカシー!」
*「・・・」
*「ここからの景色は絶景じゃな。カラフルで大きさの違う建物が立ち並んでおるぞ。本当に絵画のようじゃ。」
*「来るときには触れなかったが、城内のらせん階段も美しいな。まるでアンモナイトの殻を彷彿とさせる。さて、大聖堂に参ろう」
*「まぁ、ふつうにキレイな教会じゃな。さぁ、城も見たところで、マイセンの工場見学に向かうとしよう」
~マイセン磁器工房見学~
*「マイセン磁器工場へようこそ。こちらの施設では、工房でのマイセン焼の製造工程をツアー形式でご御覧になることができます。
ツアーは所要30~40分。10分おきにおこなっていますので、是非参加してみてくださいね」
ツアーは所要30~40分。10分おきにおこなっていますので、是非参加してみてくださいね」
*「せっかくマイセンに来たのじゃ。参加しないという選択肢はないじゃろう。さぁ、まいろうか」
【工房見学ツアーの内容】
①『ビデオ上映によるマイセンの歴史や製法の紹介』
②『ろくろを使った成形実演』
③『装飾品/パーツ・フィギュア製作/組み立て実演』
④『マイセンの象徴〈ブルーオニオン(青い玉ネギ模様)〉の紹介&絵付け実演』
の流れで、職人さんがいる作業部屋を進んでいき、その後、ミュージアム(自由見学)となります
①『ビデオ上映によるマイセンの歴史や製法の紹介』
②『ろくろを使った成形実演』
③『装飾品/パーツ・フィギュア製作/組み立て実演』
④『マイセンの象徴〈ブルーオニオン(青い玉ネギ模様)〉の紹介&絵付け実演』
の流れで、職人さんがいる作業部屋を進んでいき、その後、ミュージアム(自由見学)となります
【マイセンの”ブルーオニオン”】
1739年にクレッチマーが中国写しの染付の技法を生かして完成させた「ブルーオニオン(青い玉ネギ模様)」。この呼称は、柘榴(ザクロ)を玉ネギと間違えたため、という説明が定説になっています。中国のお皿に写実的に描かれた柘榴は、マイセンでも初期の頃には忠実に真似られていました。しかし、それもつかの間、見慣れぬ果物は馴染み深い玉ネギに姿を変え、桃のような果物、そして竹がバランスよく配置されることになりました。 組み合わされた数の神秘と共にこの図柄そのものの中にも、中国伝来のおめでたい「象徴」が描かれています。
引用元:ドイツの名窯マイセン 日本公式サイト|ブルーオニオン
1739年にクレッチマーが中国写しの染付の技法を生かして完成させた「ブルーオニオン(青い玉ネギ模様)」。この呼称は、柘榴(ザクロ)を玉ネギと間違えたため、という説明が定説になっています。中国のお皿に写実的に描かれた柘榴は、マイセンでも初期の頃には忠実に真似られていました。しかし、それもつかの間、見慣れぬ果物は馴染み深い玉ネギに姿を変え、桃のような果物、そして竹がバランスよく配置されることになりました。 組み合わされた数の神秘と共にこの図柄そのものの中にも、中国伝来のおめでたい「象徴」が描かれています。
引用元:ドイツの名窯マイセン 日本公式サイト|ブルーオニオン
*「いやはや、見ごたえのあるツアーじゃったわい。・・・おや、雪が降ってきたぞ。
1階にマイセンレストランというのがあったな。そこで腹ごしらえでもしよう」
1階にマイセンレストランというのがあったな。そこで腹ごしらえでもしよう」
工房併設のカフェレストラン。食器は当然MEISSEN。(味は普通だけど食器の分?少しお高め)
ケーキにはマイセンのトレードマークである双剣が描かれている。逆向きの方がいいかな。どうにも「父」という漢字に見えてしまう…笑
【アウトレットコーナーは必見!】
マイセンの食器を手に入れたいのであれば、アウトレットコーナーは必見。
当然、物にはよるが、素人目には「なんで1級品じゃないのかな?あえて難癖付けるなら、コレかな…」というレベルの綺麗なマイセン焼の製品がずらりと並んでいる。
一級品の20%OFF~での価格帯で売られているが、物によってはマグカップ60€~75€、中皿110€~150€のように固定額が付けられている商品がある。本物に間違いはないので、その点は安心。
細かいのは気にならない!マイセンを手元に置きたい!という方は迷いなく、買いです。当然、免税手続きカウンターもあるので、手続きはお忘れなく。
マイセンの食器を手に入れたいのであれば、アウトレットコーナーは必見。
当然、物にはよるが、素人目には「なんで1級品じゃないのかな?あえて難癖付けるなら、コレかな…」というレベルの綺麗なマイセン焼の製品がずらりと並んでいる。
一級品の20%OFF~での価格帯で売られているが、物によってはマグカップ60€~75€、中皿110€~150€のように固定額が付けられている商品がある。本物に間違いはないので、その点は安心。
細かいのは気にならない!マイセンを手元に置きたい!という方は迷いなく、買いです。当然、免税手続きカウンターもあるので、手続きはお忘れなく。
*「マイセン工房だけが見どころの街かと思いきや、アルブレヒト城や博物館など、とても楽しめたのう!・・・なんと。おぬし、ちゃっかり”MEISSEN”のマグカップを買ったと申すか!…なに?”マグカップなら1客だけでいいから”とな? ふむ。たしかにソーサーやティーカップでは、1客だけというわけにはいかぬからのう。よい選択かもしれんのう。
さぁ、割らないよう気を付けて持って帰るのじゃぞ!家に帰るまでが冒険ぞ!」
さぁ、割らないよう気を付けて持って帰るのじゃぞ!家に帰るまでが冒険ぞ!」
マイセンは、ドレスデンの北西22kmに位置するため、観光する際はドレスデンからのアクセスが基本となります。
ドレスデンからマイセンまでは、Sバーンで直通、所要35分です。ちなみに私は、ドレスデン=ノイシュタット駅から乗りました。
ドレスデンからマイセンまでは、Sバーンで直通、所要35分です。ちなみに私は、ドレスデン=ノイシュタット駅から乗りました。
◆ドレスデンからのアクセス
出発駅 ⇒ 到着駅
Dresden Hbf(ドレスデン中央駅) ⇒ Meißen(マイセン)
所要時間:35分
最新情報による注意事項
2024年4月6日から26日まで、Dresden Hbf(ドレスデン中央駅) ⇒ Meißen(マイセン)の直通列車がないようです。
途中、Coswig駅からバスで向かうことになります。詳細はDB(ドイツ鉄道)の時刻検索にてご確認ください。
2024年4月6日から26日まで、Dresden Hbf(ドレスデン中央駅) ⇒ Meißen(マイセン)の直通列車がないようです。
途中、Coswig駅からバスで向かうことになります。詳細はDB(ドイツ鉄道)の時刻検索にてご確認ください。
◆ベルリンからのアクセス
出発駅 ⇒ 到着駅
Berlin Hbf(ベルリン中央駅) ⇒ Dresden-Neustadt(ドレスデン=ノイシュタット駅) ⇒ Meißen(マイセン)
所要時間:2時間35分~2時間50分
出発駅 ⇒ 到着駅
Berlin Hbf(ベルリン中央駅) ⇒ Dresden-Neustadt(ドレスデン=ノイシュタット駅) ⇒ Meißen(マイセン)
所要時間:2時間35分~2時間50分