*「マルタ共和国の現在の首都である’ヴァレッタ’の街が築かれる以前…マルタの首都として機能していた場所があった。…それがここ、古都”イムディーナ”じゃ。
元々、この街には貴族をはじめ多くの人々が住んでおり、隆盛を誇ったのじゃが、ヴァレッタの街ができてからは人の流出が止まらず、あっという間に街は寂れてしまったという。時を経て、マルタの国が観光立国として再興するにあたり、人々が去り、昔の趣きが残されたままとなった、この廃れた静かな街が『静寂の街』として再び脚光を浴びることになった。
人々がこの地を捨てたことが、後の世で、当時の住人の何百倍もの数の人々を再びこの地に呼び寄せることになるとは、なんとも皮肉なものじゃな」
元々、この街には貴族をはじめ多くの人々が住んでおり、隆盛を誇ったのじゃが、ヴァレッタの街ができてからは人の流出が止まらず、あっという間に街は寂れてしまったという。時を経て、マルタの国が観光立国として再興するにあたり、人々が去り、昔の趣きが残されたままとなった、この廃れた静かな街が『静寂の街』として再び脚光を浴びることになった。
人々がこの地を捨てたことが、後の世で、当時の住人の何百倍もの数の人々を再びこの地に呼び寄せることになるとは、なんとも皮肉なものじゃな」
*「ヴァレッタの街同様、イムディーナの街も『要塞』としての機能を備えておった。深い外堀に高い壁。外敵の侵入を防ぐ強固な街と活気ある人々。それが城壁都市イムディーナのかつての姿じゃったのじゃ」
*「かつての栄華の香り漂う、静寂の街。なんともロマンチックじゃ。
さぁ、街に入るとしよう。…むむ?何やら人が沢山おるぞ?」
さぁ、街に入るとしよう。…むむ?何やら人が沢山おるぞ?」
御者の男A「どいたどいたーっ!端に寄りなっ!ひかれても知らないぜー!」
御者の男B「もう一台通るぜーっ!ごめんよっ!」
*「なんじゃなんじゃ、騒々しいのう。せっかく静かな雰囲気を堪能しようとしていたところを邪魔しおって」
阿吽の狛犬の様に、橋の左右には獅子(ライオン)の像が橋を行く人々を見守る
メインゲートは、1724年に当時のマルタ騎士団長”マノエル・ド・ヴェレーナ”によって造られた。ライオン像が持っている盾に刻まれているのは、「ヴェレーナ家」の紋章とのこと
・・・(ざわざわ)・・・(ガヤガヤ)・・・
*「・・・・・・。 『静寂の街』とはいったい…
これでは喧騒の街じゃな。人が多すぎるわい」
これでは喧騒の街じゃな。人が多すぎるわい」
2体の像がバルコニーを支える
*「人が多くて驚いただろう。かつての”静寂の街”も、今やマルタの一大人気観光地さ!連日何千人もこの街に訪れるんだ」
*「正直、人がいない静かな街並みを期待しておったのは事実じゃが、観光客同士それはお互い様じゃからのう。そこは諦めて景観を楽しもうではないか」
*「それにしても、この街は風が強いのう。
マルタは年間を通じて風が強いというのはあるが、ここイムディーナは狭い路地をビル風の様な強風が吹き荒れておる。大事なものを飛ばされぬよう気をつけよ」
マルタは年間を通じて風が強いというのはあるが、ここイムディーナは狭い路地をビル風の様な強風が吹き荒れておる。大事なものを飛ばされぬよう気をつけよ」
町の北側の城壁から、外界を眺める。いい景色だ
城壁から落ちれば、ただでは済まない。城壁に上る、身を乗り出して下を覗くなどは絶対しないこと
*「目立った建物もなく殺風景ではあるが、いい眺めじゃな」
*「町の奥の方(北側)まで来たが、ここらはさほど混雑していないようじゃな。やっと落ち着いた散策ができるわい。どの路地も風情があるぞ。ほれ、この枯れ木の立つ小道も趣きがあっていいのう。」
*「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
女性が自撮り撮影をしているようだ
少し待ってみよう
少し待ってみよう
*「…うーむ、この道の写真を撮りたいのじゃが、あの女性は、なかなか退いてくれんのう」
*「・・・あなたもアイツ待ちね。この街にはああいうナルシストがたくさんいるの。誰に見せるのか知らないけれど、いつまでも自撮りを続けるのよ」
*「せっかく街を訪れているのじゃ。気持ちはわからなくもないが
たしかに、もう少し周りを見て行動したほうが良いかもしれぬのう」
たしかに、もう少し周りを見て行動したほうが良いかもしれぬのう」
女性はまだ気に入る写真が撮れないようだ
なかなか動こうとしない
なかなか動こうとしない
*「あーあ!全く、いつまで撮っているのかしら!早く退いてくれないかしら!!」
観光客のおばさんは 女性に聞こえるよう 大きな声で言い放った!
かいしんの いちげき!
じょせいは バツがわるそうに その場をたちさった
かいしんの いちげき!
じょせいは バツがわるそうに その場をたちさった
*「やっといなくなったわ(カシャカシャ)…いいのが撮れたわ
さようなら旅の人。お気をつけて旅をつづけられますように」
さようなら旅の人。お気をつけて旅をつづけられますように」
*「あ、あぁ…あなたもどうぞお気をつけて(お、恐ろしいおばさんじゃ)」
※ほぼ実話
※ほぼ実話
*(お嬢さん方、先程のおばさんがそろそろ来るかもしれぬ…。逃げた方が良いぞ)
・・・(ざわざわ)・・・(ガヤガヤ)・・・
*「・・・ふう、街の入口の方まで戻ってきたぞ。お土産でも買って帰るとしよう。この街には”イムディーナガラス”という特産品があるようじゃ。もし気に入ったものがあったならば買ってみるとよいかもしれんな」
静寂の街「イムディーナ」へは、ヴァレッタの街を起点として走っているバスを利用して向かいます。
ヴァレッタからイムディーナへは、バスで30~35分ほど。
ヴァレッタのバスステーションの、C1やC2から主に出ている、「50~53番」のいずれかに乗り、”Rabat 3″で降りれば、イムディーナの入口「メインゲート」はすぐそこです。