*「ここは、赤い屋根のカラフルな木組みの建物が特徴的な街”ツェレ”。道を行けば、まるでお菓子の家のようなメルヘンチックな建物がずらりと並んでおる。まさに童話の世界といった街じゃな。街の人々の努力によって、昔からの建物がよく保存されているツェレは、”北ドイツの真珠”と呼ばれておるんじゃ。一粒一粒…一つ一つの建物や街並みに輝きがある、素敵な街じゃ」
*「観光客も多いのう!ツェレは”ドイツ木組みの家街道”の中では人気の街らしいぞ」
*「東西南北どちらを向いても絵になる街じゃ。見上げれば見事な装飾の建物が目に飛び込んでくる。そして、何より落ち着いていて治安がよさそうな街じゃな」
*「建物の横木や柱、窓枠の装飾をよく見てごらん。ドイツ語やラテン語で、その家の屋号や建築年が刻まれているんだ。この街で残っているいちばん古い建物は…たしか西暦1526年建造だな」
*「1526年!なんと約500年も前に建てられたと申すか!昔から建物を大事にする文化があったんじゃのう」
*「そこにあるのが、ツェレで一番有名な建物、”ホッぺナーハウス(Hoppener Haus)”さ。こちらも負けじと1532年の建造だ。深い緑の木枠にレンガ調のデザインが美しく、建物の木枠部分には、神話の登場人物や生き物をモチーフにした細やかな装飾が施されているんだ」
*「パッと見た瞬間、クリスマスツリーのようだと思ったが、なるほど、綺麗な建物じゃ!
木枠には神話の生き物や人物が彫られておるのじゃな?…どれ、近くで見てみようか」
木枠には神話の生き物や人物が彫られておるのじゃな?…どれ、近くで見てみようか」
*「ママ―、なにあれ!きもちわるいよう」
*「・・・(ワシも そう思う)」
*「大きな広場に出たが、ここが街の中心地のようじゃな。右から”市庁舎”、”市教会”。そして”市教会の塔”のようじゃ」
*「たびのひと。是非、教会にお立ち寄りください。あまり知られておりませんが、教会の塔はのぼることができますよ。このツェレの街の赤い屋根を上から眺めてみてくださいな」
*「ほう、それはいいことを聞いたわい。教会に行ってみるとしよう」
*「まるで劇場のような教会じゃのう!・・・しかし、塔への登り口が見当たらぬが、あのシスター、嘘を言ったのではあるまいな…」
*「もし。塔に上りたいのですか?お一人さま2G(€)いただきます。あの扉の先へお進みください…」
*「…ハァ…ハァ…、なかなか厳しい階段だったわい。…おぉ!絶景じゃ!」
*「真っ赤な街じゃな。統一感があって実に美しい」
*「あちらは、17世紀ごろに建てられた”ツェラー・シュロス”宮殿です。リューネブルクの領主であったツェレの大公さまの居城でしたが、今は博物館となっております」
*「美しい宮殿じゃ。こちらも赤い屋根で統一されておるのう。 おぉ、あの遠くに見える館はなんじゃ!?」
*「・・・あの建物は、アルブレヒト・ダニエル・テーア(Albrecht Daniel Thaer)という、ドイツの農学者が建てたマナーハウスです(Google Mapで調べました)。
別に観光地でも何でもございませんが、何か気になりましたか?」
別に観光地でも何でもございませんが、何か気になりましたか?」
*「あ…いや、ちょっと独特の空気感というか、メダルおじさん的な人が住んでそうじゃな…と。…さて、そろそろ降りようかのう!」
*「さて、あとは適当に街を散策するか。…なに?宮殿に行ってみたい、とな? おぉ、そうじゃな。まだ行ってなかったわい。ぼちぼち向かうとするか」
*「着いたぞ。”ツェラー・シュロス”宮殿じゃ。周囲がなかなか広そうな公園になっていて、地元民の憩いの場となっているようじゃ」
*「なんじゃ、この像は」
*「あぁ、この馬の像かい?ツェレに来た人はみんな写真を撮っていくよね。ツェレが属するニーダーザクセン州は、サラブレッドの種牡馬(繁殖用の牡馬)が有名なんだ。それで種牡馬と少年の銅像があるのさ」
*「なるほど。城とは別に関係がないが、土地が余っているから公園のシンボルとして置いてみたら、意外と観光客が写真を撮ってくれるようになった、ということじゃな」
*「…まぁ、そういうことだよ」
*「童話の世界に迷い込んだような、かわいらしい街じゃったな。”ツェレ”…意外と気に入ったわい!」