【自転車日本一周】自転車旅行の計画の立て方

こんにちは。
「自転車の旅ってしてみたいけど、どういう準備をすればいいの?」

そう思ってこの記事にたどり着いたあなたのお役に少しでも立てればと、
私が自転車で日本一周をした経験を基に

・「第1章:君だけの旅路 編」旅の計画前にすべき頭の整理
・「第2章:旅立ちの装備品 編」旅に必要な持ち物「第3章:無事に帰るために 編」自転車旅行中に気を付けた方がいいこと「第4章:旅の終わり 編」旅行後にやっておいた方がいいこと

として、それぞれご紹介したいと思います。

 

お読みいただく前の前提事項とはなりますが、「自転車旅」と一口に言っても、
人によって”目的”も”体力”も、”旅にかけられるお金”もそれぞれかと思います。

 

この記事に書いてあることは飽くまでも参考として頂き、旅の目的、道中での楽しみなどを加味して、是非「あなただけの旅路」を創り上げてください。


第1章:君だけの旅路

 

自転車旅行は、競技ではありません。

 

自転車旅行の経験者は星の数ほどいますが、あなたがこれから旅をするにあたって、先人の「誰が、どうした」は全く関係ありませんし、ましてや「こうするのが正しい!」ということはないのです。

「クロスバイク・ロードバイク・MTB・ママチャリ…どれに乗ればよい?」
「お金はどれだけ必要?」
「どのくらいの期間をみておけばよい?」
「一日どれだけ走ればよい?」
「持ち物は何が必要?」
「どの道を走ればよい?」
「どのくらいの頻度で休憩すればよい?」
「どこに泊ればよい?」
「毎日、何を食べたらよい?」

 

これらの答えは、どのサイトを見ても載っていません。いや、載っているはずがないのです。
あなたの旅の内容はすべて、あなたの判断・決定に基づいて決まるからです。
それに、旅に出てから考えが変わることもあるでしょう。

 

自転車の旅は楽しいだけではありません。必ずたくさんの辛いことも待ち受けています。
計画・準備の結果は、旅が始まれば全て自分自身に降りかかってきます。道中で起きる 楽しいこと、辛いこと、運がよかったと思えること、困ったこと、感動したこと。
それらは全て「あなたの選択の結果」と”覚悟”すべし! です。

 

旅に出てから後悔しないよう、頭の整理をしつつ検討してみましょう!


①まずは旅の目的、”優先したいこと”を整理してみる!

旅の動機。
「なぜ自転車旅に出たいの?」に対するあなたの答えが、旅のスタイルの軸となります。

 

旅の目的が明確になれば、旅に持って行った方が良いもの、旅先での行動基準は自然と見えてくるものです。まずは目的(旅を通じてやりたいこと)を書き出してみましょう!

 

目的に対する、旅の持ち物と行動基準の一例ですが

 目的 必要なもの  行動基準 
1 観光地を満喫したい!
映画やアニメのロケ地巡りがしたい!
お金、時間、カメラ、靴 観光地の入場料に備え、食費は抑える
2 体力をつけたい!痩せたい! 脂肪燃焼サポート飲料(VAAMなど) ・コンスタントに走る
・無理はしない
3 全国のおいしいものを食べまわりたい! お金、着替え、自炊セット 入場料の高い観光地はスルー。ご当地名物にお金を割く
4 長距離を走って自慢したい! フィジカルケア用品
自己管理能力、体力、根性 

・早寝早起き
・雨天など、悪条件下で多少の無理をしてでも走る

こんな感じでしょうか。


ここで「何がしたい!」という動機がぼんやりしているほど、自分の旅に不要な荷物を旅に持っていってしまったり、無駄な出費をしてしまったりするので、自分に問いかけて「旅の動機」を再確認してみましょう。

 

飽くまでも私の体験に基づくコメント(#1、#2)、および私見(#3~)となりますが、各項目少しずつ補足させて頂きます。


#1:観光地を満喫したい!

管理されている観光地を巡るには『入場料』という出費はどうにも避けられません。自分も道中では観光地を前にして、都度お財布と(入るべきか…入らざるべきか…!?)と相談し、葛藤を繰り返していました。経済力はどうしても必要になってきます。

 

特に、京都や奈良といった神社仏閣が密集しているエリアは、後ろ髪を引かれる思いで、いくつもの観光を諦めたものです。。
時には食費を切り詰め、観光費用に回す…などのやりくりが必要です。

 

あとは、靴選びは重要ですね。観光地を歩き回る、時には多少の山道も歩くということを想定すると、普通の運動靴は必須になります。

因みに少し話は逸れますが、「映画やアニメのロケ地巡りがしたい」という目的はとてもいいと思います。
ロケ地自体、入場料などのお金がかからない場所であることが多いですし、やってみるとわかりますが普通の観光地に行くより「着いた!」という達成感、満足感があり、自分がその作品の世界を追体験しているような気分になれます。まぁ、要は”楽しい”ということです 笑
ロケ地は時に観光地でも何でもない場所であったりするので、そういう場所の場合は、地元民に迷惑をかけないようにする気遣いは必要ですね。

 

#2:体力をつけたい!痩せたい!

この目的の方は、太っ…いえ、「ふくよかな体型を改善したい!」ということだと思いますが、その脂肪…いえ、ふくよかさは、自転車旅行では武器になるかもしれません。

一般に、自転車を平均時速15~20kmのスピードで、100km程度漕いだ場合の消費カロリーはなんと、”2500~3000kcal”といわれています。逆に言えば、長時間走るにはそれだけの「エネルギーが必要」ということなんです。
脂肪1キロは、カロリーに換算すると7200kcalとされていますので、うまく脂肪を燃焼させながら走ることができれば、あなたのお腹のそれは、エネルギーの塊、すなわち、推進力に変えられるということです!!

 

「脂肪を燃やして推進力に変えつつ、痩せる」この、効率性を高めてくれるのが、明治の『VAAM(ヴァーム)』などの脂肪燃焼効率を高めてくれるアミノ酸サプリメント。私は明治の回し者ではないですが、VAAM(アスリート)を飲みながら走りました。

このVAAM、「体長5cmのスズメバチが、1日に約100km飛べるほどのエネルギー効率の良さを持つのはなぜか」にヒントを得て開発された商品とのことで、当時、効果については半信半疑でしたが、”ただの糖分だらけのスポーツ飲料を飲むくらいなら…”という気持ちで、旅に持って行ってみました。

 

その結果ですが、「飲んで走ったら、翌日に疲れが残らなかった」という所感です。
道中、VAAMを数日切らした日がありました。プラシーボ効果(思い込み)も多分にあるとは思いますが、疲れが取れにくく感じ、地方の薬局やスーパーでわざわざ調達したほどです。
なので、飽くまでも私個人の評価ですが、「VAAMには脂肪をエネルギーに変換しやすくする機能が認められる、ひいては疲労がたまりにくくなる効果がある」と思っています。

 

因みに実体験ですが、私は真夏に東京⇒函館の約1100kmの道のりを、8日間で走りました。
出発前82kgだった体重は、函館で計ったところ…なんと72kgになっていました!
1週間で10kgのダイエットに成功です!(本当に、実話です。)
無論、体内の余計な水分が無くなった分もこの10kgには含まれているので、脂肪が10kg分無くなったわけではありません。また、VAAMを飲まないで同じ道程、条件で走って比較したわけではないので、VAAMによって痩せたかどうかは不明ですが、疲れにくくなる⇒一日長く走れるという観点からも、サプリを持って行くのはおススメします。

 

サプリの話ばかりになってしまいましたが、一番重要なのは「中強度で長く走ること」です。山道で無理をして漕いで膝を壊して走れなくなったり、夜道で路面が見えづらい中で無理して走って転んで大けが…などがあっては元も子もありません。「無理しない」というのが最重要ですよ。

 

思いの外、文章が長くなり、ダイエット講座のようになってしまいましたが、恐らく自転車旅行をすれば否が応でも痩せます(夜にドカ食いしなければですが)。効率よく痩せられる方法を模索してみましょう。

 

#3~#5は、私の旅の目的とは合致しませんでしたが、勝手な見解を記載します。

 

#3:全国のおいしいものを食べまわりたい!

運動しながら全国各地のおいしいものを…いいですね!

 

ピンキリですが、郷土料理や土地の名産物はそれなりに値の張るものがありますよね。食べたいものがあるなら、下調べ&潤沢な資金を用意しましょう。また、それなりのお店に入るなら、服装にも気を使う必要ありますよね。

自転車旅の汗だく&埃っぽい服装で飲食店にそのまま…は、マナー違反
である、と私は思います。一着で良いので、羽織るだけで小ぎれいに見える服はあった方が良いですね。

 

あとは料理が得意であれば、自炊セットを持って行くのもありだと思います。節約にもなりますし、全国ご当地の特産物を自分で調理…っていうのもありですね。憧れます。
ただ、自炊セットはそれなりに嵩張りますし、ガスバーナー(コンロ)などは、重い上に慎重な管理が必要となるので、私は持って行きませんでした。何より、私の場合は旅行期間に制約があったので、料理に時間をかけるなら、寝る or 進む としたかったので、それも自炊しなかった理由の一つです。
実際に、自転車旅行で自炊している人は少なからずいるので、持って行くのは良いと思います。

 

#4:長距離を走って自慢したい!

自転車旅行の目的が、他者への自慢という…自己顕示欲の強い思考の方には、是非、別の目的を見つけてから旅立つことをお勧めしたいですが…距離を稼ぐという観点では「とにかく怪我をしないこと」が最重要になります。具体的には、こまめに休憩をとることと、走行終わりのフィジカルケア(ストレッチや、スポーツ用鎮痛消炎剤による疲労蓄積低減の努力)を人一倍行うことが必要ですね。

 

また、夜間の走行は避けたいところ。
路面状況が見えづらく、段差などで思わぬ怪我をしたり、メカトラ(自転車の故障)が発生するリスクが格段に上がります。夜走るのではなく、走行開始を早朝にすることを強くお勧めします。
私も朝4時台、5時台の走行開始は何度もありましたが、早朝の澄んだ空気の中、自転車を転がすのは最高ですよ。遅くとも夜21時には就寝、早朝に走行開始 の走行サイクルを体に叩き込むことで、陽が昇っている日中に、安全に走行距離を稼げるようにしたらいいと思います。

 


以上、飽くまで一例でした。
あなたが思った「○○がしたい!」という具体的な目的に対して、道中にそれを達成するには何を優先すべきか、考えて整理してみてください。

 

②旅の制約から、実現性を確認しましょう

“無尽蔵の体力を持ち、経済力があり、寿命を迎えるまでの時間を持て余している。ヒマでヒマで仕方がない!” という人にはあまり関係ない話になります。いないとは言い切れませんが、そんな人は稀有です。
悲しいかな。あなたも違いますよね?………え?違いますよね…仲間…ですよね…?

 

…ということで、旅に関する制約事項
旅程にダイレクトに影響してくるコレを整理しておくことは、もちろん重要です!
難しいことはありません。大きくは4つのカテゴリに分けられます。

 

1.お金(経済的事情)
2.時期(季節)
3.時間(旅の期間制約)
4.体力

 

やはり先立つものは、「お金」ですよね。
この制約が、恐らくあなたの旅行中の一日の過ごし方に一番影響を与えます。
概算で旅に使える予算が足りるのか、確認しましょう。

 

STEP1
まずは、仮で良いので「この旅行に対する予算は、○万円!」と決めてみましょう。
尚、ここで仮置きする予算は、出発前の荷物を揃えるための費用は差し引いた金額、つまり「旅行中に使える費用」としてください。

 

STEP2
次に、1日にかかる平均予算を出してみましょう。
食費・観光費・宿泊費・雑費のカテゴライズ毎に、大まかに算出できれば問題ありません。
※私が旅で実際に感じたことを「考慮すべきこと」列に記載しました。ご参考になればと思います。

# 内容 平均予算 内訳
考慮すべきこと
1 食費 ¥2,500

食事 600円×3 = 1800
間食代 350×2 = 700

自転車旅行中はエネルギー消費量が凄まじく、1日3食ではとても足りません。「間食の費用」を含めた、1日4~5食分の費用を確保しておくと良いかと思います。
2 観光費 ¥1,000 観光地 1~2か所分 1000円 予め、必ず立ち寄る予定の観光地があるならば、それは固定費として、別途費用確保しておいた方がよいです。ここでは、出立前の予定に含まれていなかった観光にかかる費用を考えておきましょう。
3 宿泊費 ¥2,500 キャンプ場:500円
インターネットカフェ 1500円
ユース/カプセル/ビジネスホテル 4500円 6500円
[2024年6月追記] ※近頃5000円以下で泊まれるところも減っていますので、6500円/日ほど見ておいた方が良いです
走行エリアにも寄りますが、冬季(12月~3月初旬頃)の旅の場合は、野宿はできないものと考えた方が良いです。キャンプ場は、ほとんどが冬季休業ですし、何より寒すぎてテント泊は厳しいです。風邪をひいたりするリスクにもなるので、インターネットカフェ(漫画喫茶)など、屋内施設を利用する想定でいた方がよいです。
4 その他雑費 ¥500 パンク修理キット調達
コインランドリー利用料
衛生用品調達
フェリー渡航料・他通行料
自転車のメンテナンス用品や、衛生用品などの消耗品は、足りなくなったら現地で調達するほかありません。必ず見積もっておきましょう。

 

STEP3

STEP1で仮置きした「旅行中に使える予算」と、STEP2でざっくり出してみた「1日にかかる費用」から、経済的条件から見た、あなたが旅行できる日数を確認してみましょう。計算式は簡単ですね。

 

[STEP1の予算] ÷ [STEP2の合計額]=あなたが旅行できる日数

例えば、STEP1の予算が15万円、STEP2の合計額が6千円であった場合、「¥150,000 ÷ ¥6,000 =25(日間)」旅行できることになります。もし、想定より少ないようでしたら、STEP1の費用の見直しやSTEP2の変動費の削減検討をして、旅行可能日数を増やしてみてください。


続いて走行時期についても、旅の制約となってきます。
考慮すべき季節は2つだけかと思います。

 

夏の走行
夏季の走行で制約として挙がってくるものは「脱水」「日射病」「熱中症」「日焼け」関連です。

 

・こまめに水分を取る必要がある。
・こまめに日陰での休憩をする必要がある。

ということです。要はぶっ続けでの走行はできませんよ、ということですね。


「そんなの当たり前だろ」という感じですが、夏場は他の季節に比べて気付かないうちに体力をすごく消耗します。とかく、「長距離を走るんだ!」と躍起になっている場合、この”当たり前”のことを蔑ろにしてしまい、道中でリタイア…ということになりかねません。


夏場は体調管理に特に気を使って走る必要がある、という点を抑えておきましょう。

 

冬の走行
基本、冬は自転車界もオフシーズンですが、走る場合は制約として下記のようなものが出てきます。

・峠は「通行止め」になっている場合がある(ルート制限)
・東北~北海道の旅行は基本不可(エリア制限)
・早朝など、路面が凍っている場合があるため、気を付けて走行する(スピード注意)

走行ルート設定やペース配分に無理がないか、上記を基に見直してみてください。


 

そして、旅行期間の制約です。期間については、特別なコメントはございません。

 

学生、社会人、無職(退職者含む)、様々な立場の方々が自転車旅行をしていますが、通常の社会生活を送っている中での自転車旅となると、どうしても「〇日以内に帰って来ないといけない」という期間の制約が出てきますよね。自由にできる期間内で、満足できる旅行ができるよう、十分に計画しましょう。というそれだけです。
「お金・体力・目的地」を基に、きちんと帰ってこられるよね、を確認しておきましょう。

 


最後に、体力の制約です。
自分自身が「1日何キロくらい走れるの?どれくらい精力的に活動できるの?」というところに根差した制約ですね。

 

「1日どれくらい走ればいいのかな?」という疑問をお持ちの方は、まず自身が「1日どれくらい走れるのか」を確認する、試走行はしておきましょう。100kmを目標に一度走ってみて、”まだまだいける!”なのか、”絶対、無理…”なのか。
自分が毎日走り続けられる、適正距離を確認してみてください。

 

尚、旅行期間に余裕があるならば、最初は少なめの距離で見積もっておくとよいと思います。
旅が始まれば、だんだんと体力もついてきますし、何よりも”慣れ”が生じてくるので、自然と走行可能距離は伸びてくるはずです。

 

函館まで、あと「127km」

函館 127km
この標識を見て、最初は「うわー、すごく遠いな…」と感じるかもしれません。

慣れとは恐ろしいもので…(100km走るってこんな感覚か)というのが体に定着すると、「たった127kmか」って感覚になります。
程度の差はあれど、毎日長距離を走ることで、このような精神面での負担軽減や、体がロングライドに向けた力の抜き方を覚えたりすることが期待できるので、確実に最初の頃よりは走行可能距離は伸びるはずです。

 

あとは、「膝に爆弾を抱えている」「高齢である」「体重が重すぎて、お尻が痛くなる」とか色々。あなた自身の体と相談して、1日の過ごし方を検討してみてください。


以上、簡単ではありますが、旅行の準備に向けての頭の整理でした。
次章以降で、具体的な持ち物や、道中のことを語りたいと思います。

 

ここまで読んで頂き有難うございました!