【自転車日本一周】自転車旅行に必要なものって??~旅立ちの装備品~

こんにちは!
「自転車の旅ってしてみたいけど、どういう準備をすればいいの?」

そう思ってこの記事にたどり着いたあなたのお役に少しでも立てればと、私が自転車で日本一周をした経験を基に

「第1章:君だけの旅路 編」旅の計画前にすべき頭の整理
・「第2章:旅立ちの装備品 編」旅に必要な持ち物
・「第3章:無事に帰るために 編」自転車旅行中に気を付けた方がいいこと「第4章:旅の終わり 編」旅行後にやっておいた方がいいこと

として、それぞれご紹介したいと思います。

 

第1章:君だけの旅路 編』では、自転車旅行をする準備として、旅行の方針検討をテーマに投稿させて頂きました。
今回は具体的な自転車旅の装備品について語っていきたいと思います。


第2章:旅立ちの装備品

 

当たり前ですが、自転車旅行に持って行くものは、すべて自分自身で運ばないといけません。

装備選びの鉄則として、なるべく荷物は”軽量である”“嵩張らない”ものを選ぶのがポイントです。

ただ、一方で気をつけたいのが、自転車旅行はハードで色々なものが壊れます。装備品にもそれなりの耐久性は求められます。「壊れたらどうなるの?」を考えながら装備を選ぶとよいですよ。

 

以下に、自転車旅をするにあたっての持ち物を、理由と共にリストアップします。
ご自身の旅に持って行くべき荷物を検討してみてください!

持ち物(必須)

  1. 自転車
  2. カギ
  3. ヘルメット
  4. グローブ
  5. フロントライト
  6. サイクルコンピューター
  7. アーレンキ―
  8. キャリア&バッグ
  9. 地図
  10. パンク修理キット(パッチ/タイヤレバー)
  11. チェーンオイル
  12. 空気入れ(携帯ポンプ)
  13. 予備のチューブ
  14. サイクルウェア/サイクルパンツ(インナーパンツ)
  15. 着替え
  16. 携行食料
  17. 衛生用品(消毒液、絆創膏など)
  18. 自転車用_応急手当アイテム(ワイヤー、結束バンド、ゴムテープ、ラジオペンチ)

 

持ち物(オプション)はこちら



 

①自転車

自転車旅行については、自転車をまずは用意しないことには始まりませんよね。
自転車旅行をすることを前提とした場合、下記の4タイプの自転車が選択肢に上がるかと思います。
・ロードバイク
・クロスバイク
・MTB(マウンテンバイク)
・シティサイクル(ママチャリ)

 

どの自転車で旅立つのかは、人それぞれですが、各タイプの特徴をご紹介します。

ロードバイク

   スピード ★★★★★
    安定感 ★★★☆☆
メンテナンス性 ★★★★★
    堅牢性 ★★☆☆☆
    軽量性 ★★★★★
     価格 ★★☆☆☆


ロードバイクはスピード重視の方にお勧めです。

メリット
・ホイール幅が細いため、舗装された路面に対して高いグリップ力を持ち、少ない労力での発進・高速走行が可能です。また、タイヤの空気圧を高めに設定するため、パンクの頻度は比較的少なめである、とされています。
・自転車レースに使われるタイプのバイクであり、空気抵抗の軽減や、振動吸収を考慮したフレーム設計となっています。ほかの種類のバイクと比べ、とても軽量なモデルが多く、ロングライドには向いている車種といえます。
・”ドロップハンドル”と呼ばれる下方にカーブしたハンドル形状をしており、様々な姿勢を取りながら走ることが可能。長距離、長時間の走行であっても疲れにくいです。
・ホイールはワンタッチで外せるようになっており、パンク修理などの時、スピーディな対応が可能
・最近では全国の自転車屋で取り扱いがあるため、ホイールの交換などで立ち往生するリスクが低い。

デメリット
・ホイール幅が細いがゆえに、砂利道などのオフロードは苦手です。
・地面に対するホイールの接地面が少ないため、雨の日などはマンホールなどでのスリップに注意が必要です。
・乗り手が受ける空気抵抗を少なくするため、前傾姿勢で乗ることが前提となっています。人によっては長時間乗ると、背筋に疲労が溜まることがあります
・レースなどでの高速走行を前提としており、自転車本体に大きな装備を取り付ける想定がない形式の車種が多く、キャリアやバッグなどの装備を自転車本体に取り付けることができない場合があります
・ピンキリですが、他のタイプの自転車と比べ、価格帯が高めです。
 特に「軽量/堅牢/振動吸収」の特性を兼ね揃えた、カーボンフレームの場合、最低でも2桁万円~になります。

 

クロスバイク
   スピード ★★★★☆
    安定感 ★★★★☆
メンテナンス性 ★★★★★
    堅牢性 ★★★☆☆
    軽量性 ★★★★☆
     価格 ★★★☆☆


クロスバイクはバランス型。ロードバイクの高速走行性と、街乗りの快適さを併せ持つ車種。

メリット
・ロードより太く、ママチャリより細いホイール幅(28C~32C)が主流。ロードバイクほどではないが、舗装された路面に対して高いグリップ力を持ち、少ない労力での発進・安定した走行が可能。また、ちょっとした段差や、砂利道程度の未舗装路も問題なく走ることもできる
・街乗りをはじめ、スポーツとしてのサイクリングもOKという、幅広い用途に適した仕様となっている。
 予算の都合が付けば、ロードバイク同様、軽量・振動吸収性に優れたフレームの車種も用意されており、こちらもロングライドには人気の車種。
手頃な価格帯の車種のラインナップが豊富で、お気に入りの一台を見つけやすい。
・ホイールはワンタッチで外せるようになっており、パンク修理などの時、スピーディな対応が可能
・最近では全国の自転車屋で取り扱いがあるため、ホイールの交換などで立ち往生するリスクが低い。

デメリット
・長時間のライドの場合、疲労から無意識に腕に体重が乗ることがありますが、ハンドルがフラットバーとなっているがために、掌の一点に体重の負荷が集中し、小指~薬指の神経を圧迫。肘のあたりにかけて痺れを起こすことがあります(実体験)ので、姿勢には注意が必要です。
・ロードバイクほどではありませんが、地面に対するホイールの接地面が少ないため、雨の日などはマンホールなどでのスリップに注意が必要です。

 

MTB(マウンテンバイク)
   スピード ★★★☆☆
    安定感 ★★★★★
メンテナンス性 ★★★☆☆
    堅牢性 ★★★★★
    軽量性 ★★☆☆☆
     価格 ★★★☆☆


MTB(マウンテンバイク)は、未舗装路や山道に強く、堅牢性、振動吸収性に優れた一台。

メリット
・ボディにサスペンションが組み込まれているため、段差など多少の障害物は難なく乗り越えることができる
・凸凹のあるホイールで、未舗装路もしっかりと地面をグリップし、問題なく走ることができる
・ホイール幅が広く、路面に対するホイールの接地面が大きいため、他の車種に比べ、雨の日でもスリップするリスクが低い
・ホイールの厚みがあるため、パンクしにくい(凹の部分が薄く逆にパンクしやすい、など諸説あり)

デメリット
・長時間のライドの場合、疲労から無意識に腕に体重が乗ることがありますが、ハンドルがフラットバーとなっているがために、掌の一点に体重の負荷が集中し、小指~薬指の神経を圧迫。肘のあたりにかけて痺れを起こすことがあります(実体験)ので、姿勢には注意が必要です。
・ロードバイクやクロスバイクに比べ、ホイールやパーツの取り扱いがある店舗が少ない。ホイールがバーストした場合など、地方で立ち往生するリスクがある。
低価格帯だと、重量のある車種が多い

 

 

シティサイクル(ママチャリ)
   スピード ★★☆☆☆
    安定感 ★★☆☆☆
メンテナンス性 ★☆☆☆☆
    堅牢性 ★☆☆☆☆
    軽量性 ★☆☆☆☆
     価格 ★★★★★


低価格、かつお買い物に便利なかご付き!

メリット
低価格帯車種のラインナップが豊富
・キャリア(荷台)がデフォルト装備であることが多い。
・走行中、上半身への負荷は極小。
乗り降りがしやすい
・スタンドにより、安定した駐輪が可能。
・電動アシスト車という選択肢が出てくる(!?)
※[2024/4/9更新]アシスト車の可能性について、神戸新聞から非常に興味深い記事が出ていました:「息子に会いたい」89歳父が自転車で600キロ走破

デメリット
・前傾姿勢がとりづらく、また、カゴがあることで向かい風の影響を受けやすい
重量があり、走りだしの負荷が高い。膝上の腿を痛める可能性大。
デフォルト装備のカゴやキャリアの耐荷重が低く、使い物にならない
・シートポストが短く、ツーリング用キャリアを付けることができない。
・長距離、長時間走行に根差した設計となっておらず、各パーツが壊れやすい。
・ホイールを容易に外すことができない。パンク修理に時間がかかる

 

 

結論を言ってしまえば、「ロードバイク」または「クロスバイク」がおススメです。

私はクロスバイクで日本一周をしました。


“ANCHOR”のCX500というクロモリフレームの車種で、地元の自転車屋で当時7~8万で買った記憶です。
自転車には驚く値段の車種がたくさんありますが、1分1秒を争うプロレーサーでもない限り、10万円の自転車と20万円の自転車の性能差が気になるシーンはありません

 

自転車に命を預けることになるので、それなりに社会的信頼のあるメーカーであることは選定条件に加えたいところですが、長い期間を共に過ごす相棒となるなので、あまりネット上の他者のレビューコメントに惑わされず、好きなメーカー、好きなデザイン、好きなカラーの自転車を選びましょう。


 

②カギ

日本は治安がいいといっても、スポーツタイプの自転車は盗難に遭いがちです。
大事な旅の相棒が、海外に売り飛ばされてしまわないように、カギはしっかりとしたものを選びましょう。

「ダイヤル錠」と「カギ式」どっちがいいの?

私は、自転車旅行をするのであれば「ダイヤル式」をおすすめします。
カギ式だと、いちいちカギを出し入れするのが手間ですし、何と言ってもカギ自体を無くしたが最後、立ち往生…。ロックをどうにかするのに、貴重な1日の予定が総崩れになるリスクがあるからです。

私は実際に、ダイヤル式、カギ式の両パターンで自転車旅をしましたが、カギ式の場合、コンビニに立ち寄るにも、宿に泊まるにも、いちいち「カギを無くさないようにしないと!」とカギの存在に気を遣わないといけないのが非常に精神的負担でした。管理が不要なダイヤル式の方が圧倒的に気持ちの面で楽ですし、立ち往生リスクも減らせると思っています。

 

一方、ダイヤル式は番号さえ合ってしまえば、だれでもロックが外せてしまいます。解錠の時に楽なように、番号を一つだけずらしてロックをかけておくと、悪意があって自転車に近づいてきた者に解錠される可能性はありますので、ロックの際は番号はしっかりずらしましょう


因みに、カギ式の場合、カギを無くしたらどうすればいいのでしょうか。
いずれの方法も「防犯登録してあること」が前提ですが、下記の方法でカギを外してもらうことができます。

 

①自転車屋にカギを破壊してもらう。
 自転車屋に持ち込み、本人確認がとれたら、カギを破壊してもらえます。近くに自転車屋がない場合、あるいは「地球ロック※」などで自転車が動かせない場合は、出張費(距離に応じて)は多少取られるかと思いますが、最寄りの自転車屋に電話すれば、車で来てくれることがあります。
 ※ガードレールや電柱など、固定された公共物に自転車をロックすること。自転車を担いで盗難されるリスクを抑えることができる。

 

②交番でカギを破壊してもらう。
 交番に持ち込み、本人確認が取れたらカギを破壊してもらえます。

 

③鍵開け専門業者に頼む
 専門業者に解錠依頼を行い、カギを開けてもらう方法もあります。
 (こちらは他の手法と比べ、対応費が高額となるケースがあるので、事前にお財布と相談しましょう。。)

 

注意:最強のカギが負うリスク
・自転車の窃盗のプロが用いる油圧式のワイヤーカッターなどは、15mm程度のワイヤーであれば難なく切断してしまいます。あまりワイヤー部が細いロックは選ばず、できれば太さ16mm~のロックを選びましょう。

・余程のものでなければ大丈夫なはずですが、巧妙化する自転車盗難に備え、昨今は”絶対切れない!”などと銘打っている、いわゆる「最強のカギ」が売られています。この「最強のカギ」。地方の自転車屋では破壊できない可能性が高いので気をつけましょう。

 

ロックは堅牢性を高めるほど重量も増します。
盗難リスクは0%にはできないと割り切って、明確な悪意を持った”盗難のプロ”以外からは自転車を守れる程度のものとするのが良いかと思います。

 

尚、おすすめのメーカーはABUS(アブス)。
自社製品への自信の表れだと思いますが独自の「ABUS盗難見舞金制度」というシステムがあり、ABUSの定める一定のセキュリティレベルのカギを使用していたのにもかかわらず、自転車が盗難被害に遭った場合、最大12万円の見舞金を支給してくれる、というものです。


③ヘルメット

いざという時に命を守ってくれるヘルメットは必須です。

自転車 太郎(17歳)
俺は、自転車の運転うまいから、なくても大丈夫だぜ!!
旅行 花子(21歳)
エイリアンみたいでかわいくなーい。髪型が崩れるからヤダー

…なんてのは、論外です。

 

私自身、自転車旅行中に自損事故で頭をぶつけることはありませんでしたが、後ろから来たトラックに跳ね飛ばされたことがありました。幸いにも飛ばされた先が深い草むらであったので、事なきを得ましたが、アスファルトやガードレール、電柱などがあったら…と考えると、今でもゾッとします。

 

あの世で(ヘルメットかぶっておけばよかった…)と後悔しても遅いです。
事故は、いつどんな理由で起こるかわからないので、転ばぬ先の杖として自分の命を守るために必ずかぶっておきましょう。

 

尚、自転車用のメットは頭が蒸れないように、工夫されています。
デザインやメーカーは好みで良いと思いますが、きちんとスポーツ自転車用のメットを買いましょう。

 


④グローブ

長距離を走る際は、必ずグリップ部にクッション性のあるグローブを装着しましょう。
グローブは、手汗による滑り止めの役割を果たすことは言わずもがなですが、ロングライドにおいては、他にも下記のような役割をしてくれます。


手の甲を日焼け、小傷から守ってくれる
手のひらの皮剥け防止
手の神経の圧迫低減
転倒時のケガ軽減


長い間走っていると、疲れから無意識にハンドルに体重を預けてしまうことがあります。手のひらに強い力が加わり続けると、手の神経を圧迫し、手のひらから肘にかけて、痺れや痛みを発症することがあるので、手のひらの圧を分散してくれるクッション付きのグローブは必須です。無論、走行姿勢にも気をつけましょう!


 

⑤フロントライト & 反射板(またはテールライト)

早朝や夜間を走行する際は、言わずもがな必須の装備となります。
また、「フロントライト」および「反射板(またはテールライト)」の装着は、道交法で自転車への装着が義務付けられているので、必ずつけるようにしましょう。

【フロントライト】
防水仕様、かつ点灯・点滅機能のついた、最低でも400ルーメン以上のライトを選びましょう
ただし、夜間走行する前提であるならば1000ルーメン以上のクラスのライトが必須です。
街灯のない山道などは、~800ルーメンクラスのライトでは路面状況が視認しにくいです。サブライトも合わせて複数で路面を照らすなども検討しましょう。

【テールライト】
背後という死角から車が突っ込んでくる可能性があるので、自身の存在のアピールのためにつけましょう。(特にトンネルでは大活躍します)
こちらは50~100ルーメン程度の光量があれば問題ありません。

自分はトンネルで後ろから迫ってくるトラックが怖すぎたので、長いトンネルでは必ず1500ルーメンのハンドライト(自転車用ではない)で路面をチカチカ照らし、自分の存在をアピールしていました。
(間違っても車に向けて照射してはいけませんよ!運転手の目くらましになって逆に突っ込んでくる可能性があるので…)


 

⑥サイクルコンピュータ

ロングライドの場合、”自分がどのくらいのペース(速度)で走っているのか”、”どのくらいの距離を走ったのか”、”あとどのくらいで目的地に着けるのか”、また自身が、”毎日どのくらいの距離を目安に走ればよいのか”という情報を把握するために、サイクルコンピュータは必須と考えます。


GPS搭載モデルなど、走行記録を詳細にとることができるモデルも出ていますが、気になるのは連続使用可能時間。機能が多いほど、電池の消耗も当然のごとく激しくなります。GPSモデルは最新型でもバッテリーは持って1日という感じなので、充電環境が常に確保できる保証はない自転車旅には不向きかと思います。最低限の機能のものであれば、数か月(10000km)程度電池寿命が持つモデルもあるので、そちらをおすすめします。

 

注意:ワイヤレスタイプは置き場所に気を付けて!
ワイヤレスタイプのサイコンの場合、磁気を発する家電に近づけないようにしましょう。私は、ホテルの小型冷蔵庫の上に、取り外したサイコンを置いてしまったことがあったのですが、「時速80km」という表示がされ、その旅での正しい総走行距離がサイコン上では管理できなくなってしまいました。ワイヤレスは誤作動のリスクがあるので、置き場所には気をつけましょう。
毎日走り終わったら、すぐに一日ごとのデータを別途、記録・管理することをおすすめします

 

⑦アーレンキ―(六角レンチ)

アーレンキ―(六角レンチ)は、自転車メンテナンスの必需品です。ブレーキなどの足回りをはじめ、キャリア(荷台)やシートポスト、ボトルゲージなど、自転車に取り付けるパーツの多くは六角の穴あきボルトで固定されており、この「アーレンキ―」がないと取り付け・取り外しができません。4mm、5mm、6mmのアーレンキ―は必ず旅に持って行くようにしましょう。また、テコの原理でしっかりとボルトをしめることができる“L字型”のアーレンキ―がおすすめです。

 

注意:十徳タイプは避けるべし!
アーレンキ―をお店で探した場合、「一本一本バラバラのもの」と、+ドライバー、-ドライバー、各サイズのレンチなどが1つのツールにまとまった「十徳タイプ」が見つかると思います。一本一本バラバラだと、落としたり無くしたりしやすいかも…、(あと、ちょっとカッコいいな!)と思って、私は最初、十徳タイプを持って旅に出たのですが、途中で破損して使い物にならなくなってしまいました。
(⇐無残にも壊れてしまった、十徳タイプ…)
原因は単純に、ボルトをしめる際に力を入れ過ぎたというものですが、ブレーキなど、強い力で固定しないといけない部位を十徳タイプのアーレンキーでしめる場合、構造の都合上、レンチとツール本体の接点が強い力に耐えられず、壊れることがあります。また、細かい部分の調整時は、ツールの本体が邪魔でうまくレンチをボルトに嵌められなかったりするので、シンプルに金属だけでできている、一本一本独立するタイプのアーレンキ―を持って行かれることを推奨します。

 

⑧キャリア&キャリーバッグ

自転車旅行中は一日中自転車をこぐわけですから、体への負担を極力なくす必要があります。
旅行に必要な荷物は、基本的には自転車本体に持ってもらいましょう!

 

リアキャリア

基本的に、荷物は自転車の後部キャリア「リアキャリア」に積むことになるかと思います。
自転車に荷物を搭載するにあたっては、専用のキャリア&バッグが各メーカーから出ているので、自分の自転車に取り付け可能か確認して用意するようにしましょう。


 

リア搭載スタイルの例
私はテントでの野宿をしながらの旅行であったので、寝袋やマットなど大きな荷物がありましたが、安定感、荷ほどき/荷作りの速度など、総合的にこのスタイルが一番良いと思いました。ご参考まで。

 

・パニアバッグ(左右独立)を採用。
・キャリアの上に、バニアバッグの間に挟み込むようににシュラフ(寝袋)をセット。
・フラットになった上部に、マットをセット
…っていう、他にもこのスタイルの人はたくさんいるでしょうし、搭載術というほどのものでもないですが(笑)
どう荷物を載せようか、迷っている方がいらっしゃいましたら参考にしてみてください。

 

因みに、テントはパニアバッグに収納していました。また、マットとシュラフは100円ショップで売っている金具付きの自転車用ロープを2本使って、キャリアにガチガチに固定しています。

パニアバッグ
自転車旅行をするならば、”防水”素材でできており、左右合わせて”35~40L”くらいの容量が入るものが欲しいところ。
また、”容易に取り外せるか”という点も重要になります。各メーカー機能性は大差ないと思いますので、好きなデザイン&経済事情を加味して選ぶといいと思います。

 

フロントキャリア
フロントへの荷物の搭載は、「パニアバッグ派」と「フロントバッグ派」に分かれると思います。
私は、貴重品をフロントバッグにまとめて、コンビニなどでは必ずバッグごと取り外して持ち歩くようにしていました。また、前に荷重をかけすぎるとハンドル操作がしにくかったり、急ブレーキで後部が浮いて危なかったり、段差を乗り越えにくくなったりするので、前は軽めにしていました。

注意:フロントバッグとホイールの”擦れ”
長い間走行をしていたり、フロントバッグに重いものを入れていたりすると、だんだんとフロントバッグがおじぎしてしまい、前輪と接触してしまう懸念があります。心配であれば、前輪の上に物理的なカバーをする用途として、フロントキャリアを取り付けるなどするとよいです。

 

尚、私は各バッグに下記のようなものを入れていました。
<フロントバッグ>
 地図、財布、デジタル一眼レフカメラ、ビデオカメラ
<パニアバッグ(右側)>
 衣類、ノートPC、衛生用品(消毒液、絆創膏、ボディシート、日焼け止め、石鹸など)
<パニアバッグ(左側)>
 三脚、テント、ラジオ、自転車小物(予備チューブ、予備ロープ、パンク修理キット、工具、自転車カバー、空気入れなど)、1.5~2Lペットボトル(コンビニで調達)


 

⑨地図
地図は、スマホやタブレットで参照することはできますが、A5サイズの小型の地図帳を持って行くことを強くおすすめします。道中、地図を見る機会は頻繁にあるはずです。電子媒体の場合はバッテリー残量を気にしないといけないこともありますし、なにより、常に同じ縮尺で地図を確認することで、走行距離感を体に叩き込みやすいという隠れた利点があります。

 

また、電子地図のように拡大して詳細を確認することはできませんが、一目で俯瞰的に広いエリアを確認できるため、走行ルートの検討時は情報整理がしやすいです。さらに、万が一に備えてのことを付け加えるならば、単純に、スマホなどの出し入れの機会を減らすことで、手を滑らせてスマホを落としてしまうなど、精密機器の損壊リスク低減にもなります。

 

小型の地図をフロントバッグなど、すぐに取り出せる場所にしまっておき、ルート分岐点などの詳細を確認したい時はスマホの地図で拡大して確認するなど、本の地図をメイン、電子地図をサブとして使い分けると良いかと思います。


 

⑩パンク修理キット

100均のもので十分です。タイヤレバー、パッチ、ゴムのりさえあればOK。自転車旅行は、自分でパンク修理できないと不可能といっても過言ではありません。出発前にパンク修理の練習は十分に行いましょう。

 

⑪チェーンオイル(潤滑油)

チェーンに差す潤滑油は、言わずもがな必須アイテムです。説明するまでもないと思いますが、チェーンは見るとわかる通り、細かいパーツ同士の連結によってできています。
チェーンオイルによって、これらのパーツ同士の摩擦を低減することでチェーンを保護するだけでなく、ひいては滑らかな走行に繋げることができます。注油を怠った場合、「ギーコ…ギーコ…」という異音を出しながら走る恥ずかしい目にあうことはもちろんのこと、最悪のケースではチェーンの断裂にまで至るので、注油によるメンテナンスはしっかり行いましょう。
※ちなみに私は、自転車日本一周中は、夏場・冬場関係なくミニスプレータイプのKURE 5-56を持って走っていましたが…、高圧ガス製品のため、40℃以上の高温にするな!との記載がきちんとありました。高温や衝撃で破裂の危険があるので、特に夏場に持って走るのは少し危ないですね…。以降はボトルタイプを持って走っていますので、皆さんへも旅行に際してはボトルタイプ(非ガスタイプ)をおすすめします。

 

⑫空気入れ(携帯ポンプ)

ガレージ・ゼロ自転車用空気入れ携帯用ポンプ(アルミ製)仏式/米式バルブ対応自転車ポンプ/ポンプ/エアサプライ/長時間走行でタイヤの空気圧が落ちた場合や、パンク修理の際に携帯式ポンプが必要ですね。

この携帯ポンプ、小型であるがゆえに空気を高気圧で入れるのは結構大変です。少しサイズは大きくなってしまうかもしれませんが、L字型に変形することができ、通常のフロアポンプと同じように、体重をかけて空気を入れることができるポンプがおすすめです。

昨今は「CO2インフレーター(CO2ボンベによる空気充填)」による空気充填の方式も選択肢に入ってきていますが、自転車旅行ではパンクはつきもの。CO2ボンベによる空気充填は”1回使い切り”ですし、運が悪ければ1日2回パンク…なんてこともありうるので、ポンプは持っておいた方がよいです。

 

⑬予備のチューブ

ただの穴あきパンクならパッチをあてればよいですが、運が悪いとチューブが裂けるようにパンクしてしまうことがあります。穴が大きすぎてパッチでは対応できないこともあるので、予備のチューブは必ず持っておきましょう。

また、パンクの際、チューブごと変えてしまうことで修理時間を大幅に短縮することができます。私はパンクした際は一旦チューブごと変えてしまい、夜など時間があるときに穴が開いたチューブにパッチをあて、修繕したチューブをまた予備として持っておく…という感じで回していました。また、3~4か所パッチを当てたチューブは捨て、交換するようにしていました。

 

⑭サイクルウェア/サイクルパンツ(インナーパンツ)

自転車旅行期間中は、長時間自転車に跨って走り続けるわけなので、汗をかいても不快に感じない服装をすることは重要です。
私が自転車日本一周の旅をしていた時は、冬季はトレーニングウェア(ミズノのウインドブレーカー)、夏は”防臭”&”速乾”を売り文句にしていた、そこらへんの衣料品店に売っているような、いわゆる普通のシャツで走っていました。

しかし、自転車専用の「サイクルウェア」を着るようになって実際に感じましたが、やはり一般衣料品に比べ、肌に密着する無駄のない着心地、手洗い洗濯のしやすさ、速乾性、防臭性、いずれをとってもサイクルウェアの方が優れており、自転車旅には向いていると思いました。私は無銘の安物のウェアや、有名ブランド『パールイズミ』のアマチュア向けのものなど、いくつかのウェアを試しましたが、一番気に入ったのは、『モンベル(mont-bell)』のサイクルウェア。

『モンベル』というと、登山などのアウトドア用品を扱っているブランドとしてのイメージを持っている人が多いと思いますが、過酷な環境を耐え抜くための素材/繊維の研究開発については、右に出るものなし。自社内で培った技術力を以て、自転車乗りに向けたサイクルウェアを提供してくれています。ちなみに私は2着持っており、そのうち1着は「mont♦bell」のロゴが擦り切れて見えなくなるほど着潰していますが、細かなほつれはあるものの、大きな穴が空いたりはせず。防臭機能もだいぶ落ちている感は否めませんが全く問題ありません。どれを買えばいいか迷っているなら、とりあえずおススメできる一着です。

 

次に下半身のウェアですが、長時間サドルにまたがるわけなので、必然的にお尻が痛くなります。クッション性のあるサイクルパンツを履かないと、自転車旅はできません!
サイクルパンツ無しで旅行をした場合、恐らく3日目くらいで「お尻が痛くて走れない…」となると思います。最初はゴワゴワしてて履きづらいと感じるかもしれませんが、その恩恵は計り知れません。必ず履くようにしましょう。予備も含めて2~3枚あると安心です。

⑮着替え

旅先で観光したり、お店に入ったりするときに必要ですね。
あと、テント泊を予定している場合は、寝間着代わりのジャージがあるとよいです。シュラフの中を清潔に保つために、就寝用に清潔な衣類を1セット確保するようにしましょう。

 

⑯携行食料

走行中は「1時間に1回」を目安に、食料を摂取することを強くおすすめします。ダイエット目的で自転車旅行をする人も必ず、食料をこまめに摂取しながら走りましょう。
自転車をこぐという行為は、気付かぬうちにかなり体力を消耗しているものです。長時間食料を摂取せずに自転車をこいでいると、「ハンガーノック」という身体が極度の低血糖状態に陥った状態になってしまいます。ハンガーノックになると、本当に身体に力が入らなくなります。最悪、めまいやブラックアウトで道路で倒れてしまい、事故に遭う危険性もありますので、必ず食料は携行するようにし、こまめに摂取しましょう。

 

衛生用品(フィジカルケア用品、消毒液、絆創膏、日焼け止めなど)

特に説明は不要ですね。一日の走行終わりに、フィジカルケアを行うスポーツ用消炎剤などで、必ず体のケアをしましょう。また、自転車旅はそれなりにハードなので、ちょっとした擦り傷、切り傷は必ずある、と想定しておきましょう。
また、夏場の走行時は日焼け止めをきちんと塗ることを強くおすすめします。私は真夏に日焼け止めを塗らないで走りましたが、とても後悔しました。理由は『第3章:無事に帰るために』内で記載しているので、よろしければ後ほどご覧ください。

 

自転車用_応急手当アイテム(ワイヤー、結束バンド、ゴムテープ、ラジオペンチ)

段差を乗り越えたり、ガードレールとの軽い接触といった「瞬間的な負荷」や、長期間の走行や、雨風さらされたことが原因の”蓄積したダメージによる劣化”により、自転車本体や装備品が想定外の壊れ方をすることがあります。そんな時にパーツを固定することに特化した、これらの『万能修繕アイテム』とも呼ぶべきものを備えておくことは、自転車の旅において非常に重要です。

私の経験談ですが、ある時、キャリア(荷台)と自転車を繋ぎとめるボルトがいつの間にか無くなっており、突如キャリアが傾く事態に陥りました。そのまま走れるかと思いましたが、宙ぶらりんになったキャリアの突端がスポーク( ホイールの外輪と車軸間を支える、複数の細長い棒)に接触しそうになり、慌てて自転車を止めて修理をすることに。
そんな時に助けてくれたのが、念のために持っていた「ワイヤー(針金)」。ボルトで止めていた接合箇所を、ワイヤーでガチガチに固めることでキャリアと自転車本体をしっかりと固定することができ、無事に次の大きな町に辿り着くことができました。
また『第3章:無事に帰るために』内でもご紹介していますが、ホイールがいつの間にかかなりすり減ってバースト寸前…という状態において、ゴムテープをホイール裏地に貼りまくることで、何とか窮地を脱したということもありました。他にもゴムテープは「グルグル巻きにして固定する」という面において、この上ないアイテムなので、持っておくと安心です。


 

以上、旅に必須な持ち物を理由と共にご紹介しました。
ここからは、旅の目的や時期によって持って行った方が良いものをご紹介します。
ご自身の旅のスタイルに合わせて、取捨選択をしてみてください。

 

持ち物(オプション)

  1. テント
  2. シュラフ
  3. カメラ
  4. スタンド
  5. レインブーツカバー(or サンダル)
  6. 輪行袋
  7. サングラス / アイウェア / 目薬

 

①テント

野宿スタイルで旅をする方は必須ですね。
私は、モンベルの「クロノスドーム」で旅をしました。とても軽い上に、馴れれば3分ほどで設営可能で、とても重宝しました。モンベルのテントは「ムーンライト」シリーズと悩む方が多いかもしれませんが、クロノスドームの方が広々としているので、疲れをしっかりとりたいような自転車旅にはこちらをお勧めします。

 

②シュラフ

シュラフ(寝袋)は、きちんと季節に合わせたものを持って行きましょう。
シュラフの製品説明には「快適温度」と「限界温度」が示されているはずです。

【快適温度】:快適に眠ることができる気温帯域
【限界温度】:重ね着をするなど工夫をすれば、何とか使用可能という下限の気温
季節に合わないシュラフを持って行って、いざ使い物にならなかった時…それはただのお荷物になります。メーカーの表記を満たす気温の範囲内で使用するようにしましょう。

 

③カメラ

旅の思い出をしっかり記録したいのであれば、カメラを持って行った方が良いです。私はフロントバッグにデジタル一眼レフカメラを詰めて持って行きました。また、サブ機としてコンパクトデジカメも持って行きました。荷物が増えて大変でしたし、精密機器なので管理に気を使いましたが、結果的には持って行って良かったです。

スマホの画質も年々上がっていますし、画像加工アプリなどである程度写真のクオリティは底上げできますが、やはり撮った写真を大画面で見ると、撮像素子が大きい専用カメラに軍配が上がります。作品としての写真を残したい方はカメラを持って行くことをおすすめします。

 

④スタンド

自転車を立てるために必要なスタンド。
なくても壁やガードレールなどに自転車を立てかければよい、という話ではありますが、この写真のように周囲に自転車を立てかける場所がないところに停めたいシーンが、道中ではたくさんあると思います。休憩のタイミングや、場所の選択肢を増やすためにもスタンドはあった方がいいですよ。尚、自転車自体に荷物を搭載していると、片側スタンドだと結構不安定です。どんなスタンドにするかは積載量を基に、それに見合うものを選ぶようにしましょう。

 

⑤レインブーツカバー(or サンダル)

私は持って行かなかったのですが、「あったらよかったな…」というアイテム、雨用のブーツカバーです。
自転車旅行中は、(汚れることなんて怖くない!雨で濡れることなんて屁でもないぜ!)と思っていたので、雨の日は川に入ったような状態の靴のまま自転車をこいでいたのですが、、、濡れた靴を履き続けるとどうなるか。
爪が浮いて剥がれます。「靴は濡らさない!」重要ですよ。

 

⑥輪行袋

これも、私は持って行かなかったのですが、「あったらよかったな…」というアイテム、輪行袋です。
旅行中は何があるかわかりません。電車や飛行機など、公共交通機関を使って自転車を輸送しなければならない状況に備えて、持っておくと安心です。
※メーカーによっては「ロードバイク用」/「クロスバイク用」など、形状や大きさが異なる輪行袋がある場合があります。自身の自転車に合ったものを選びましょう。

私は、北海道でトラックにひかれました。その時は奇跡的に私自身は切り傷のみ、自転車はキャリアが歪んだだけで、何とか自走可能な状態であったのですが、この時、チェーンに負荷が掛かっていたのでしょう。北海道を出てしばらく南下した後、福島県の山の中でチェーンがギアに巻き込まれ、ディレイラーハンガーが折れてしまい、自走不能になりました。運がよかったことに、近くに鉄道の駅があったので、そこまで歩いて行って、何とか頼み込んで自転車カバーだけで電車に載せてもらう、という一幕がありました。
本来は輪行袋が必須なので、柔軟な対応に感謝です(会津鉄道さん、有難うございました)。

 

⑥サングラス / アイウェア / 目薬

目を保護するためのアイウェア、つまりサングラスや自転車用ゴーグルです。夏季の走行では必須、冬は寒暖差や体温で曇って危なかったりもするので…自己判断で(私はメガネをしているので、冬場はそれをアイウェアに位置付けて走っていました)

アイウェアは、厳しい日差しから目を守ってくれる、重要なアイテムです。強烈な日差しを裸眼で見続けると、視力の低下はもとより、眩暈や頭痛、体力の消耗につながります。また走行中は、砂ぼこりや虫から目を守ってくれるので、必ず装着するようにしましょう。


尚、私はメガネにクリップで装着するタイプのサングラスを使っていました。眼鏡のレンズより気持ち大きい程度のレンズ幅のもので、日差しからはそれで充分目を護れたのですが、虫からは守れず…。一回、2mmほどの虫が目に入り、よろけたことがありました(すぐに近くのコンビニで鏡を使って取りましたが…)。いわゆるスポーツタイプのサングラスのように、肌との隙間の小さい、幅広のレンズを採用したものを選ぶといいと思います。
あとは目薬。目の疲れを取る、目を洗うという意味で夜に使っていました。旅先の現地でどこでも手に入ると思うので、目が疲れたな…と思ったら使ってみてはいかがでしょうか。※防腐剤入りの目薬はドライアイの元になったりするそうなので、含有物には気を付けて選びましょう。また走行で風を受けるので、あまりメントールが強いものではなく刺激の少ないものを選ぶといいと思います。


 

以上、如何でしたでしょうか。持ち物、足りてましたか?
実際に旅に出ると「あれを持ってくればよかった、、これはいらなかった…」ということはあると思います。
(念のため持って行こう!)を増やすと、大荷物になってしまうのが難しいところですよね。ある程度は現地調達を見据えて荷作りしてみましょう。