【自転車日本一周】自転車旅行で気を付けるべきこと~無事に帰るために~

こんにちは。
自転車旅行について、私が自転車で日本一周をした経験を基に、旅の計画・持ち物の整理について、前回の投稿でまとめてきました。

「第1章:君だけの旅路 編」旅の計画前にすべき頭の整理「第2章:旅立ちの装備品 編」旅に必要な持ち物
・「第3章:無事に帰るために 編」自転車旅行中に気を付けた方がいいこと
・「第4章:旅の終わり 編」旅行後にやっておいた方がいいこと

 

第3章:無事に帰るために

 

自転車旅はハイリスク・ハイリターンな旅です。
人生経験として得られることは計り知れないですが、その反面、一瞬の油断で命を落とすこともある危険な旅です。一度旅に出れば、その身に降りかかる災難苦難は、自分自身で払いのけなければなりません。

 

本章では、旅行道中の注意事項について、私が実際に道中で困ったことについて”過去の自分にアドバイスするならば…“という視点から、対策と共に語っていきたいと思います。

 


走行開始前

1. 足回り(タイヤ、ブレーキ)の点検は、毎日きちんとしろ!
自転車が走行をするために必須のタイヤと、停止のために必要なブレーキの状態は、毎日最低1回はチェックするようにしましょう。具体的には下記のような確認すればよいです。異常が見つかったら即(早めに)対処しましょう。

 

タイヤ
・異物が刺さってないか
・走行に支障があるようなすり減り具合になっていないか
・空気圧は十分か


ブレーキ
・停止に支障があるようなすり減り具合になっていないか
・異音がしないか
・ブレーキを留めているナットが緩んでいないか

 

尚、私は2月の極寒の土砂降りの峠道で、走行中にブレーキが完全分解して半自走不能になり、死にかけました。。走行できなくなると最悪の場合、旅がそこで終了…ともなりかねないので、必ず点検は行いましょう。

限度を超えてすり減ったタイヤ。裏地に絶縁テープを張りまくり何とか次の街にたどり着きましたが、早めにタイヤは変えましょう。

 

2. タイヤの空気圧に気をつけろ!
空気圧が低いと、タイヤと地面が接する面積が広くなり、推進力を得るのにパワーが必要になったり、タイヤがゴミを拾ってパンクしやすくなったりします。常に空気圧は高めを維持するようにしましょう。

尚、荷物を搭載した自転車にホイールをつけたまま空気を入れる場合、自転車が倒れたり、荷物の加重で空気を入れるのが大変だったりするので、ホイールを外すなどしてから空気を入れるのが望ましいです。

 

3. 台風や大雪の時は引きこもれ!
悪天候の日は「走らない」という判断をきちんとしましょう。人によっては、悪天候でも先に進むことを優先したい人もいるかもしれませんが、無理は禁物です。悪天候時は車のドライバーの視界も悪くなるので、追突や巻き込み事故に遭わないためにも、自分自身が走れると思っても「走らない」選択をすることは重要です。”休息日”と割り切って、しっかり安全な場所で休むようにしましょう。

 

4. 日焼けをなめるな!
私は真夏の走行で日焼けをなめた結果…、日焼けの火傷により、腕から血を垂れ流しながら走ることになりました。
痛みはさほどありませんでしたが、見た目がグロテスクになります。

【日焼けで表皮が剥ける状態になる】⇒【汗をかく】⇒【表皮と真皮の間に汗が溜まり、ブツブツのイボガエル(ヒキガエル)のようになる】って感じで…ホテルのフロントの人に、口元を抑えながら「大丈夫ですか…!?」と言われ、(あ…俺、大丈夫じゃないんだ…)と、そこで事の重大さに気づきました。


日焼けは、気付かぬうちに体力を削られますし、若い頃に日焼けケアしないと、30代くらいからシミが一気にできます(実体験)。何より、日焼けは皮膚がんのもとになるそうなので、夏場の走行ではアームカバーや日焼け止めを必ず用いるようにしましょう。

 

走行中

 

5. 横風に気をつけろ!
走ってみるとわかりますが、荷物満載の自転車の場合、風の影響をモロに受けます。
向かい風で進めない、、というケースは往々にしてありますが、「横風に煽られて車道に倒れ込む」となった場合、最悪です。

後ろから車が来ていた場合は、十中八九、そこで人生は THE END となります。自分も車道に倒れ込む、すんでのところで踏みとどまり、一命をとりとめたことがありました。

道交法では「自転車は車道を走るように」とありますが、横風が強い日は歩道を徐行しましょう。命には代えられません。

 

6. 側溝には気をつけろ!
車道と歩道の間の側溝。嵌まったり、滑ったり、引っかかったり、ゴミが溜まってたり…とにかく危ないです。日本の車道は、そもそも自転車が走ることを想定してつくられていないので、路肩に寄りすぎるのも逆に危ないです。側溝のトラップで転倒し、後続車にひかれる、ということもあり得ますので、「路肩にはより過ぎない、安全が確保できない場合は歩道を走る」としたほうが良いです。

 

7. ハンガーノックに気をつけろ!
前章でも述べましたが、「ハンガーノック」とは、長時間にわたる激しい運動などで、身体が極度の低血糖状態に陥った状態になってしまった、つまり”ハンガー(空腹)”によって、”ノックアウト”された状態を指す言葉です。

ハンガーノックになると、本当に身体に力が入らなくなります。最悪、めまいやブラックアウトで道路で倒れてしまい、事故に遭う危険性もあります。これは、こまめな栄養補給により回避できます。カロリーメイトなどの携行食料を必ず常備し、1時間に1回を目安に摂取しましょう。

 

8. 疲れても下を向くな、腕に体重を乗せるな!
長時間のライドを前傾姿勢でこいでいると、うなだれるように下を向いてしまいたくなることがあります。「注意一秒、怪我一生」という交通安全の標語がありますが、まさにその通り。例えそれがたったの1~2秒であっても、進行方向を見ずに自転車を進ませるのは危険です。休む必要があれば、きちんと自転車を停めて休憩を取りましょう。

また、前章でも記載しましたが、腕、とりわけ手のひらに体重をかけて長期間走行すると、手の神経を圧迫し、薬指&小指~肘のあたりにかけて、痺れをきたします。旅行後にも残る後遺症となってしまうので、異変を感じたら腕に体重が乗らないよう意識して走りましょう。

 

9. 天候が崩れそうなときは、面倒くさがるな!
雨が降りそうな場合は、早めに雨具を着る、レインブーツカバーを装着する、荷物にカバーをかけるなどの対応をしましょう。
私は(まだ大丈夫だろう。降らないかもしれないし…降ってきてからでいいや)と準備を怠ったことが何度かありました。そんな時に限って、スコールのように一気に強い雨が降ってきたりして…備えておけばよかったと何度も後悔したので、準備はお早めに!はお伝えしたいです。

 

10. 雨上がりに気をつけろ!
雨上がりはタイヤにゴミが付着しやすく、パンクしやすくなります。また、側溝に流れた木の枝やゴミが溜まっていることがあるので注意しましょう。

 

11. バイパスに気をつけろ!
バイパスとは、要は”信号が少ない走りやすい道”です。自転車通行禁止のバイパスもありますが、大体のバイパスは法的には自転車通行可となっています。まず、言わずもがなですが、自転車進入禁止の標識は必ず見落とさないようにしましょう。また、自転車進入禁止の標識がないバイパスであっても、安全が確保できない場合は下道を行きましょう。

 

12. トンネルでは出来得る限りの自己アピールをしろ!
トンネル内で車に追突でもされようものなら、ひとたまりもありません。はねられた先にクッション性のある何かが存在する可能性は皆無なので、ほぼ確実に死ぬといってよいかと思います。反射板やテールライトはもちろんのこと、白や黄色などの明るい服を着るなどで存在をしっかりアピールしましょう。

 

走行後

13. 膝痛はきちんと根本的に解決しろ!
長時間走ると、膝が痛くなってくることがあります。無理にこぎ続けると、地面に足が付けなくなるくらいの痛みになってきてしまいますので、きちんと対処しましょう。

私も走行中膝が痛くなり、スポーツ用消炎剤を毎日吹きかけていましたが、焼け石に水でした。根本的な発生源を見直さないといけない、と気が付いたのはだいぶ痛みが進行してから…。もっと早く対処すればよかったです。

膝の痛みですが、サドルの位置(前後)の調整により解消することがあります。サドルを前後にずらしてみて、膝の痛みが和らぐポイントを探して、こぐようにしましょう。

 

14. 体臭に気をつけろ!
「気が付いてないんですか…??あなた、相当臭いですよ!!」と、ショッキングなセリフを正面切って言われる前に、自分で気が付きましょう。人間、誰しも自分のにおいには鈍感ですが、毎日長時間自転車をこいで汗と埃にまみれて臭くならない訳がありません。

定期的な洗濯はもちろんですが、ボディペーパーなどで体はきちんとふくようにしましょう。屋外ならサッとで問題ないかと思いますが、お店に入るときは一枚羽織るなど、見た目にも気を使いましょう。

 

15. 冬の野宿を甘く見るな!
冬季に野宿を考えている場合は、きちんと冬用のシュラフで暖をとりましょう。寒いと本当に眠れませんよ。また、冬季はキャンプ場は閉まっていることがほとんどです。道の駅などで寝ることになると思いますが、他人の邪魔にならない、他人に不安を与えないことは大前提ですので、気をつけましょう。

 

16. 人様の迷惑になるところで寝るな!
これは、’ごめんなさいエピソード’になりますが…。2月の走行で、野宿場所も漫画喫茶なども見つからず、泊るにはそこそこ値の張るホテルしかない、というエリアで夜を明かすことになりました。外は寒すぎて一晩生きていられる自信がなかったので、やむを得ずファミリーレストランで一夜を明かすことにしました。奥の人目につかない席に座り、当然注文はして晩御飯を食べて、、他のお客さんがいなくなったのを見計らって「ちょっと仮眠を…」という体で、夜1時ごろに眠りに着いたのですが、、、

午前3時頃でしたでしょうか。「お客様、こちらは寝る場所ではございませんので…」と起こされてしまい、恥ずかしながら、そそくさと退店しました。結局、その日は睡眠2時間のまま午前3時過ぎから走行をはじめ、午後の早い時間に安宿に転がり込み、眠りこけました。「人様に迷惑をかけてはいけない」よ、という話ですね。反省です。

 

17. 置き引きに気を付けろ!
いくら日本の治安がいいといっても、置き引きなどの犯罪は起きています。漫画喫茶やインターネットカフェといった公共の場では、貴重品は肌身離さず管理するようにしましょう。

 

18. 自転車カバーはつけろ!
夜間、屋外に自転車を放置する場合は、いたずら防止のためにも、できれば自転車カバーはかけておきましょう。ちなみに、私は100円ショップで購入した自転車カバーをかけ、風で飛ばないようにロープでぐるぐる巻きにしていました。


 

とにかく自転車旅行は「怪我をしないこと」。
この事項を最優先とし進み続ければ、きっと目的地にたどり着けることでしょう。
頑張ってください!